2021 Fiscal Year Research-status Report
脳動脈瘤感受性遺伝子ANGPTL6のレア・バリアント関連解析
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21K16617
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大渕 英徳 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30532692)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤 / くも膜下出血 / 感受性遺伝子 / レアバリアント / ANGPTL6遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳動脈瘤の候補遺伝子ANGPTL6について、患者および対照サンプルでシーケンシング解析を実施し、同遺伝子の機能的レアバリアントと脳動脈瘤発生との関連を検証している。近年、海外の他の研究グループでもこのANGPTL6と家族性脳動脈瘤との関連が検証され(Hostettler IC,et al. Neurology. 2021)、有望な感受性遺伝子として注目されている。脳動脈瘤患者サンプル639例(クモ膜下出血407例、未破裂232例)でのシーケンシングを完了させることを目標に実験を進めている。一般人口でのアリル頻度が1%未満で、種々の遺伝子変異機能予測プログラムにより機能障害性と判定されるレアバリアントが、特にクモ膜下出血症例を中心に複数例で検出されている。シーケンシングと並行して、検出されたレアバリアントについては、培養細胞を用いた機能解析が行えるよう体制を整えている。ミスセンスバリアントについては、HiBit法による蛋白発現解析が行えるよう整備が完了した。開始コドン直上のコサック配列からも新規レアバリアントが検出されていて、レポーター遺伝子アッセイによる発現解析が行えるよう準備を進めているところである。対照サンプルのシーケンシングデータについては、1000人ゲノムプロジェクトで公開されている日本人104人のデータに加え、本学で実施された多数の全エクソームデータをインハウス対照として利用できる体制を整えた。現時点で149例の全エクソームデータを対照データとして使用でき、1000人ゲノムデータと合わせて253例の対照データとなった。レアバリアント関連解析を実施し脳動脈瘤発生との関連を統計学的に検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公共のデータとインハウスの全エクソームデータを統合し、効率よく対照データが整備できた。患者のシーケンシング解析も進み、検出されたレアバリアントの機能解析法としてHiBitシステムを用いた発現解析の準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
シーケンシング解析を継続して実施する。あらたに検出される非同義レアバリアントについては、順次、HiBitアッセイによる蛋白発現解析も行う。コサック配列部位の新規レアバリアントについては、深海エビルシフェラーゼNanoLucによるレポーター遺伝子アッセイを行い、遺伝子発現への影響を検討する。
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Causes of Carryover |
当初、対照サンプル540例をすべてダイレクトシーケンシング法によりアッセイする予定であったが、公共データやインハウスの全エクソームデータを予備解析データとして使用できるようになったため。しかし、これら253例の対照データでは、最終的な解析には不足となることが予想されるため、次年度に計画通りにダイレクトシーケンシング法によるアッセイも追加する。
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