2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of video analysis based artificial intelligence for hemifacial spasm care
Project/Area Number |
21K16623
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 康裕 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80899310)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 片側顔面痙攣 / 動画解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、患者痙攣発作時の顔面のビデオ映像解析を行うことにより、片側顔面痙攣における複雑かつ多様な表情筋の動きを客観的かつ定量的に分析し、本疾患の診断補助や治療効果判定、治療最適化の一助に応用することである。 令和5年度は、片側顔面痙攣患者33名のうち、顔面の動画撮像時に痙攣が観察された6名を対象とし、痙攣発症時の顔面の動きを動画解析ソフトウェアMove-tr/2Dを用いて解析した。動画解析による定点追跡のターゲットは、眼輪筋、口輪筋、頬骨筋の3か所に設定し、その変位量を経時的な変化として計測した。同時に、同筋の筋電図も取得し、ビデオ解析による顔面の動きとの比較検証を実施した。 その結果として、6例全例で病的共同運動synkinesis認め、片側顔面痙攣に特徴的な所見と考えられた。筋電図においては、複数の筋から同時に病的な運動単位電位の発射を認め、症状を反映した結果であった。動画解析による波形からは、肉眼的に観察された痙攣時には複数の筋が同時に収縮している、特徴的な変位量波形が得られた。その波形は、活動電位を観察している筋電図と同期していたが、多くはplateauを有する波形で、痙攣時の筋収縮は一定時間持続する特徴があるなど、異なる特徴も有していた。周波数(波形の数)は筋肉の活動電位を記録している筋電図の方が鋭敏であったが、いずれの病的共同運動も動画解析においても検出可能が可能であった。本結果からは、顔面の映像解析手法により、片側顔面痙攣患者において、眼瞼痙攣やチックなど周辺疾患との鑑別、治療効果の判定にも応用が可能であることが示唆された。
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