2022 Fiscal Year Research-status Report
The development of intraoperative real-time monitoring to evaluate brain tissue oxygen saturation during a neurosurgical procedure
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21K16624
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 慎治 山形大学, 医学部, 助教 (60637164)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 術中リアルタイムモニタリング / RGBカメラ / 脳組織酸素飽和度 / 拡散反射分光法 / 脳神経外科手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳神経外科手術の際に使用している手術用顕微鏡にRGBカメラを接続し、得られた画像を解析することで、脳表の酸素飽和度をリアルタイムに画像化し、脳酸素飽和度の変化を観察することで、脳神経外科手術に伴い生じうる、脳の血流低下に伴う脳虚血や、脳血管のバイパス術後の血流上昇に伴う過灌流などののリスクを推測し、より安全な脳神経外科手術が提供できるようなモニタリング法を開発し、その信頼性を検証することが目的である。連携研究者である東京農工大学のグループが開発したRGBカメラで撮像した分光反射率画像から脳組織酸素飽和度を推定する方法を臨床応用している。術中、顕微鏡下術野にみられる脳表のRGB画像から拡散反射分光法によりR、G、Bそれぞれの拡散反射スペクトル、分光吸収、分光反射率を取得することでR、G、Bの応答値を算出する。脳組織の酸素化ヘモグロビン濃度と脱酸素化ヘモグロビン濃度を推定するために必要なR、G、Bの組み合わせを事前に光伝搬モンテカルロシミュレーションを用いてシミュレーションし重回帰式を作成し、従回帰係数を算出しておくことで、R、G、B応答値から、各ピクセル毎の酸素化ヘモグロビン濃度、脱酸素化ヘモグロビン濃度を算出し、脳組織酸素飽和度を計算し、リアルタイム動画で測定結果を画像化し、特定の関心領域の数値表示も可能なシステムを作成し、既存の組織酸素飽和度プローブによる脳組織酸素飽和度及びレーザードップラープローブによる脳血流との比較、検証を行った。令和4年度は令和3年度に引き続き、脳動脈瘤症例を中心として、バイパス症例や脳血管奇形などを含め約50例の症例を蓄積し、それらの脳組織酸素飽和度のデータを解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標では令和3年度から5年度にかけてバイパス手術症例を中心に、脳動脈瘤、脳血管奇形などを含め、50症例に対して比較検証を行う計画としていたが、現在約50例の症例の蓄積が進んでいる状況である。ここから、データを解析して、どの程度の症例数でデータの検証可能かを検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度から5年度にかけてバイパス手術症例を中心に、脳動脈瘤、脳血管奇形などを含め、50症例に対して比較検証を行う計画である。令和5年度は取得したデータの解析を行い、最終的にこれらの研究により得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。
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Causes of Carryover |
2021年度、2022年度で症例の蓄積を中心に研究を行ってきたが、組織酸素飽和度プローブやレーザードップラープローブの破損が少なく使用できたことから当初計上した物品費よりも費用を抑えることにつながった。2023年度は更なる症例の蓄積とデータ解析、発表を行う計画であり、その際に物品費や旅費として次年度使用額も使用する。
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Research Products
(2 results)