2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒアルロン酸合成酵素の遺伝子導入による新たな変形性膝関節症の治療に向けて
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21K16652
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石塚 真哉 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40813316)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヒアルロン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請時に記載したIn vitroの先行研究に続くin vivo実験として、研究計画にあったDMM OAモデルマウスの作成を行い、OA変化が生じていることの確認を行うため、DMM OAモデルマウスを作成後、マウス膝関節を採取し、組織標本を悪性後、HE染色、サフラニンO(S-O)染色などをおこなった。OAモデルマウスにおいてはS-O染色において濃染するプロテオグリカンに富んだ組織が大きく減少しており、プロテオグリカンの喪失が生じていることを確認した。DMM OAモデルマウスの作成に関しては確認ができたと考えている。 また同組織における免疫組織化学染色を行いMMP-3、-13の発現解析により各種分解酵素のタンパクの発現上昇、局在を確認した。上記の作成したDMM OAモデルマウスを用いて、現在本研究と平行してその効果に関する研究を行っているヒアルロン酸合成阻害剤である4-Methylumbelliferone, 4-MUをマウス膝関節内に投与し、上述した各種OA変化が抑制されることを確認した。それらの成果は「Journal of orthopaedic research, 2020」で報告されている。同様にDMM OAモデルマウスを作成し、膝関節内にドキシサイクリン誘導型のHAS2過剰発現アデノウイルスベクターを膝関節に投与、ベクターによる遺伝子導入がされるか、又、ドキシサイクリンの内服によって過剰発現が生じるかについてin vivoの実験を行っていたが、マウスの餌にドキシサイクリンを含有させる手法による関節内組織でのHAS2過剰発現を様々な方法で確認したが、最終的に確認するに至らなかった。ドキシサイクリン誘導型のHAS2過剰発現アデノウイルスベクターの使用は断念し、現在Adeno-HAS2-ZsGreenというドキシサイクリンを用いない恒常発現型のベクターを用いた実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vivoの実験において、ドキシサイクリンの内服による関節内組織でのHAS2の過剰発現が生じるかの確認に時間を要したが確認できるに至らず断念し、ドキシサイクリンを用いない恒常発現型のベクターを用いる実験をすすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
DMM OA model mouseの作成が可能になったため、得られた結果をもとにAd-HAS2-ZsGreenを膝関節内に投与、その後に2, 4, 8, 12週で膝関節の組織切片を作成、膝関節内でのヒアルロン酸の産生をHyaluronan binding protein (HABP) 染色にて評価、ヒアルロン酸の分子量をHA-ELISAで評価、またHE染色、サフラニンO染色でOAの進行度を評価する。また免疫組織化学染色でMMP13、ADAMTS-4の発現の評価を行いHAS2 の過剰発現による抗炎症作用に関する評価を行う。
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Causes of Carryover |
関節内組織でのHAS2の過剰発現の確認に少々時間を要したため進捗に遅れが生じた。次年度については、Ad-HAS2-ZsGreenを用いた実験を継続する。助成金はマウス、免疫染色に用いる抗体等の購入に使用する予定である。他、研究成果を発表するための投稿費等に充てる。
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