2021 Fiscal Year Research-status Report
変形性膝関節症におけるGRK5の機能解析と治療への応用
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21K16658
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
居石 卓也 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40896700)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / GRK5 / 疾患修飾治療薬 / Amlexanox |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度において、OA疾患修飾効果を発揮する関節内投与薬としてAmlexanoxの濃度の最適化を検証し、関節内投与の剤形を決定した。さらにAmlexanoxの溶媒としてヒアルロン酸を用いることで、細胞およびモデルマウスにおいて軟骨保護の相乗効果が得られることを明らかにし、追加特許を出願済み(令和3年9月6日、未公開)である。その際に、関節への圧刺激に対する痛みの閾値を測定し、Amlexanoxとヒアルロン酸の組み合わせで除痛の相乗効果も得られることを確認した。 Amlexanoxは抗アレルギー薬として国内外で臨床使用され、重篤な副作用の報告がない既存薬であることよりOA新規治療薬として利用することを念頭に開発を進めてきた。しかしAmlexanoxは内服錠および点眼液の剤形で販売されていたが、現在では製造中止となった。そのため、既存薬を販売していた企業以外の2社より協力を得、Amlexanoxのパイロット合成を行った。既存薬利用のメリットを活かすために、GLP試験のためのAmlexanox原薬製造、既存原末との同等性検証、既存原末と安全性情報の入手を行う予定であったが、Amlexanox原末および安全性情報が入手不可となったため、開発方針転換を検討している状況である。 マウス軟骨細胞を用いてリン酸化修飾を網羅解析し、GRK5のNFκB以外への作用を解明する試みに関しては、未だ達成できていない。また、OA誘導術後早期~晩期でのタイミングの野生型マウスの膝関節組織や、様々なOA gradeの新鮮ヒト軟骨組織切片を用い、GRK5 の発現が組織レベルでどのタイミングで亢進するのか解明し、GRK5のOAにおける最も病態に関わる病期を推察する試みに関してもまだ十分に研究が進行できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
阻害薬を原薬とした疾患修飾治療薬の創出へ向け、関節内投与薬の濃度や溶媒についての効果最適化を行い、特許申請に至ったため概ね順調に進展とした。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の未達成項目に関してできる限り進展させる方針である。 つまり、マウス軟骨細胞を用いた網羅解析系、および様々なOA gradeの新鮮ヒト軟骨組織切片を用いた実験系を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画の内一部、実施できなかった項目があり、その代金分が残額として残る形となったため。次年度の実施できなかった実験系を2022年度に行う方針である。
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