2022 Fiscal Year Annual Research Report
変形性膝関節症におけるGRK5の機能解析と治療への応用
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21K16658
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
居石 卓也 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40896700)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | GRK5 / Amlexanox / Osteoarthritis |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度においても引き続き、GRK5阻害薬を原薬とした変形性関節症(以下OA)の疾患修飾効果を発揮する関節内投与治療の開発を目指した。その中で、GRK5阻害薬としてAmlexanoxの濃度の最適化・用量を検証した。Amlexanoxの溶媒としてヒアルロン酸を用いることで、細胞およびモデルマウスにおいて、単剤よりも軟骨保護の相乗効果があることを明らかにし追加特許を出願済みである。その際に関節への圧刺激に対する痛みの閾値を測定し、Amlexanoxとヒアルロン酸の組み合わせで除痛の相乗効果も得られることを確認した。 軟骨細胞においてGRK5の下流因子を網羅解析するために、GRK-/-マウスとGRK+/+マウスより軟骨細胞を分離培養し2群間でMicroarrayによるmRNA発現の網羅的な比較解析を行った。結果、GRK5がToll様受容体シグナル伝達やJak/Statシグナル伝達経路にも関与を示すデータが得られたため、今後検証予定である。 OAの進展に関節内構造物である半月板の変性が深く関連していることは以前から報告されており、さらに半月板変性にGRK5が関与しているかを検証した。結果、ヒトOA半月板やOAモデルWTマウス半月板ではGRK5の発現が亢進していた。しかしヒトOA半月板細胞やOAモデルWTマウス半月板細胞を用いたin vitro実験において、GRK5は半月板細胞にanabolic、catabolic作用とも有していないことが示唆された。またGRK-/-マウスとGRK+/+マウスより半月板細胞を採取しMicroarrayにて解析した結果、こちらも同様であった。そのためこれ以上の検証は行わなかった。 様々なOA gradeの新鮮ヒト軟骨組織切片を用いた実験系を行う予定であったが、こちらに関しては検体入手が困難で検証できなかった。
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