2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Physical Therapy Interventions using Devices to Support Voluntary Movements for Severe Children with Sitting Difficulty
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21K16660
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
黒田 真由美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (80880955)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | リハビリテーション / ロボット / 理学療法 / 小児 / サイボーグ / 運動機能 / 重症児 / 座位能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】 重症心身障害児における運動機能障害について、カナダで行われた脳性麻痺の大規模縦断研究により、脳性麻痺の運動発達は4歳と早期にプラトーを迎え、6歳以降で二次的な機能低下を生ずることが報告された(Hanna 2010)。よって、より早期から頭部の安定化や座位保持能力の向上といった、重症心身障害児の生活に必要な基礎的な運動機能が改善する事で、呼吸器等の医療的機器の必要性の減少が期待できる。しかしながら、重症心身障害児に関しては、“援助”や“ケア”といった現状に対し社会がどのように支援するかといった報告が多く、重症児自身の運動機能の向上を目指す手法は確立されていない。そこで本研究では、重症心身障害児を対象とし、患者の微細な運動イメージに応じて関節運動を出力できる装着型ロボットを用い、座位能力向上へ向けたプログラムの開発とその有効性を検証することを目指す。ロボットを用いた運動プログラムの効用として、重症児の座位能力が向上し、脊柱側弯の進行抑制や保護者の介助量軽減、社会参加の促進が期待できる。 【今年度の計画】 これまで脳性麻痺等、脳原生疾患を対象に検証を進めていたHALを用いたロボットトレーニングプログラムについて、小児希少性疾患を対象とし効果検証を行う。 【研究の進捗状況と成果】 使用したロボットは、骨盤から下肢までが一体となり、股関節と膝関節にアクチュエータがついた両脚型ロボットスーツHAL2Sサイズプロトタイプとした。先天性関節拘縮症や先天性ミオパチーを対象として介入を行った。脳性麻痺のみでなく希少性疾患においても我々のロボットトレーニングプログラムは安全性に遂行可能であり、実現可能性が示唆された。一方で、介入遂行に当たっては、これまでのロボット機体の設定やプログラム課題に変更や修正を要した。一部の三次元動作解析や表面筋電図を含めた解析結果について学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
出産に伴う産前産後休暇や育児休業の取得に伴い研究を中断した期間が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
育児休業取得期間のため、2024年度はデータ解析や論文執筆作業を進めていく予定である。育児休業終了後(2025年度以降)に介入研究を再開する予定としている。
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Causes of Carryover |
第3子の出産に伴う産前産後休暇、育児休業取得に伴い、研究計画に遅れを生じた事により、次年度に使用額が発生した。 次年度以降に、測定機器の購入、学会参加に伴う旅費、研究協力者対する謝礼、英文校正費、論文投稿費等に使用する計画である。
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