2021 Fiscal Year Research-status Report
大規模一般住民コホートによるキーンベック病の疫学調査 -ROAD study-
Project/Area Number |
21K16662
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
下江 隆司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90647497)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キーンベック病 / 疫学調査 / 一般住民コホート |
Outline of Annual Research Achievements |
キーンベック病の有病率、自然経過といった疫学調査は世界的にみてもごくわずかな報告があるのみである。本研究の目的は本邦における一般住民を対象としてキーンベック病の有病率を調査し、また、各種患者背景および単純X線指標とキーンベック病の関連を調査し、明らかとすることである。 大規模住民コホートROAD studyは主に運動器疾患を対象とした一般住民対象の縦断コホート研究である。手外科コホートの第1回(2011-2013年)より両手正面単純X線検査が施行されている。また第4回調査がすでに2022-2023年に予定されている。本研究では、第1回から第3回までの被検者について既存データの横断的解析を行い、キーンベック病の有病率を明らかにする。さらに、第4回調査では第3回より10年が経過しているため、この10年間でのキーンベック病の新規発生者の調査、また第1回から第3回調査時にキーンベック病と診断された被検者のX線学的重症度分類の変化、痛み有無の変化などについて縦断調査を行う計画である。 研究初年度である2021年度は、第1回から第3回調査まででえられている既存データのデータベース構築を予定していた。そのため、まず、撮影されているX線写真の読影を実施した。第1回調査では1417名、第2回調査では2473名、第3回調査では1885名の両手正面像の読影を実施し、延べ5775名分の調査を実施した。 コロナ禍による出張制限のため、年度前半は読影のための出張が禁止であったため、年度終盤のみに読影の機会が限定された。そのため本年度内ではデータベースの構築が完了しなかったが、2022年度前半で読影したX線所見と性別、年齢、既存疾患、職業などのデータを統合し有病率を明らかにし、また、ロジスティック回帰分析を実施し、報告予定である。さらに第4回調査を2022-2023念に実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による出張制限のため、年度前半は読影のための出張が禁止であったため、年度終盤のみに読影の機会が限定された。X線読影のみでも延べ100時間以上を要したため、本年度内ではデータベースの構築が完了しなかったが、データベース構築に要する時間のうち、最も時間を要する読影は終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度内ではデータベースの構築が完了しなかったが、2022年度前半で読影したX線所見と性別、年齢、既存疾患、職業などのデータを統合し有病率を明らかにし、また、ロジスティック回帰分析を実施し、報告予定である。さらに第4回調査を2022-2023念に実施予定である。第4回調査は第1回調査から10年が経過しているため、縦断的な解析を実施し、キーンベック病の新規発生率および発症後キーンベック病の長期経過の分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度予定分について概ね予定通りの金額で執行したが、生じた次年度使用額779円については次年度分予算とあわせ適切に執行予定である。
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