2022 Fiscal Year Research-status Report
Effect of Peficitinib on Knee Osteoarthritis
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21K16668
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大園 宏城 久留米大学, 医学部, 助教 (50885358)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / JAK阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
Peficitinibのマウス変形性膝関節症の抑制効果を検証するため、2種類のマウス変形性膝関節症モデルを使用し、検証中である。 1つ目のモデルはDestabilization of the Medial Meniscus (DMM)モデルという、最も広く用いられている変形性膝関節モデルを使用する。内側半月板前方と脛骨を繋ぐ靱帯を切離し、内側半月板を不安定化させることで膝関節の変形を誘発する。成熟C57BL/6Jマウスに対し、右膝にDMM手術・左膝にSham手術(皮膚と関節包切開のみ)を行い、術後Peficitinib 5mg/kgを週に3回腹腔内投与し、コントロール群には溶剤のみを投与。術後12週目でと殺・膝関節の組織学的評価を行ったところ、Peficitinib投与群がコントロール群に比べ有意にOARSIスコアが低く、変形性膝関節症の進行抑制効果がある事が示唆された。今後、OARSIスコア以外に、滑膜炎スコアや軟骨下骨を評価するスコアも算出して評価比較する予定である。 また、2つ目のモデルとしてSenescence Accelerated Mouse (SAM)を使用する。本マウスは老化促進マウスで、生後6週以降で有意に変形性膝関節症が誘発される。このモデルは変形の誘発に外科処置を必要とせず、手技による差異が出にくく安定した結果が得られると考えている。コントロール群としては同系統マウスで正常老化を示す、SAMEマウスを使用。 生後4週よりPeficitinibの投与を開始し、生後20週でと殺・組織学的評価を現在進行中で行っている。 変形性膝関節症は約820万人いると推定されており、関節リウマチの10倍もの患者がいるにもかかわらず、その抑制効果を持つ治療薬は未だ一つとして発見されておらず、このPeficitinibが初めての治療薬となる可能性があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In Vivoの実験は、完遂の目処がたっているが、In Vitro実験を今年中に行っていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
毎日もしくは毎週決まった時間に、当研究に取り組む。
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Causes of Carryover |
これまで主に進めてきたIn Vivo実験は、動物飼育や手術・組織処理など、比較的安価な研究機材が多かった。次年度すすめていく下記の実験にて、研究費を使用していく予定である。1)PeficitinibのIn vitroにおける軟骨系細胞や間葉系細胞に対する影響を検証。マウス新生児軟骨から得られる、軟骨細胞を培養確立し、同細胞にPeficitinib曝露し、遺伝子発現や蛋白発現をチェックする。また間葉系幹細胞(ヒト由来のものを購入するか、ラビット骨髄から採取予定)の軟骨分化試験を行い、Peficitinibが軟骨分化に与える影響を検証する。2)Peficitinib投与によりマウス軟骨の遺伝子発現がどのように変化するか確認。Peficitinib5もしくは10mgを2週間、週に3回腹腔内投与し、コントロールには溶媒のみを投与。最終投与から数時間後に、膝の軟骨組織を採取し、遺伝子や蛋白発現をチェックする。 上記2つの実験系において、実体顕微鏡、PCRやウエスタンブロット、ELISA、RNAseq等に使用する試薬や、委託費に研究費を充てる予定としている。
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