2023 Fiscal Year Annual Research Report
PAX7-FOXO1胞巣型横紋筋肉腫の治療法の開発; 患者由来癌モデルを使う研究
Project/Area Number |
21K16669
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
申 育實 大阪大学, 感染症総合教育研究拠点, 特任研究員(常勤) (70761352)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肉腫 / 胞巣型横紋筋肉腫 / PAX7-FOXO1 |
Outline of Annual Research Achievements |
横紋筋肉腫は軟部肉腫の一つである。これまでに報告されている組織型の中でも胞巣型は悪性度が高く、予後不良である。胞巣型横紋筋肉腫(aRMS)の90%以上で融合遺伝子が検出されている。高リスク群においては標準治療は未確立である。治療法開発にあたり患者由来細胞株は有用であるが、aRMSを含む希少がんにおいては細胞を得難いという課題がある。研究代表者はこれまでに、手術検体を用いて世界で3例目となる PAX7-FOXO1融合遺伝子を有するaRMSの細胞株の樹立に成功した。本研究はこの患者由来細胞株を用いて、①治療に有効な抗がん剤の同定、②PAX7-FOXO1融合遺伝子の病態における役割の解明、そして③プロテオゲノミクスによって治療奏効性予測バイオマーカーの開発、を行うことを目的としている。前年度までに抗がん剤の感受性試験および治療奏効性予測バイオマーカーの開発に資する質量分析データの取得を行った。また一連の研究を通して生体内のがん微小環境をin vitroで再現することが必要であると考えたため、患者由来がん細胞株と脱細胞化組織を共培養したin vitro評価系を構築し、評価した結果を論文として公開した。またPAX7-FOXO1融合遺伝子の 病態における役割解明を進めた。最終年度は研究代表者の前所属研究室で開発中である、ゲノムと質量分析のデータを統合的に解析するプロテオゲノミクスのためのソフトウェア(OncoProGx、未発表)に資するためのRNA-seqデータを取得するとともに、逆相タンパク質アレイを利用して、創薬ターゲットとなり得るがん関連タンパク質の発現プロファイルが臨床腫瘍と近似したスフェロイドの作製条件を同定することに成功した。
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