2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of molecular-targeted therapies for pain control on inhibiting porosity of the vertebral endplate and bone loss
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21K16679
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
牧野 紘士 富山大学, 附属病院, 医員 (50816022)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脊椎 / 椎体終板 / 破骨細胞 / c-Fos |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脊椎退行性変化と密接に関係する疼痛の制御を目指すにあたり、椎体終板の多孔化に着目し、その病態と分子標的薬による制御を目指してきた。まず、腰椎椎間板症(椎間板ヘルニア、椎間板性腰痛)患者の3DCT画像を用いて、椎体終板の骨性欠損(終板の多孔化)評価を輪状骨端と中央部に分けて解析した。結果として、骨性欠損は、下位腰椎で多く見られ、中でも後方区画に多く存在することが明らかとなった。そして椎間板変性度とも有意に相関することを示した。これらのことから、例えば椎間板ヘルニアにおいて、椎体終板の変化が、ヘルニア塊の突出の一因となっている可能性が示唆された。さらに椎体終板の変化は、脊椎退行性変化と一つとして考えられた。 次に終板の変化には、破骨細胞が重要な役割を果たしていると考え、以後の実験をすすめた。椎体終板における破骨細胞の働きを抑制することによって、脊椎退行性変化を抑制できるのではないかと考え、すでに椎間板の細胞外マトリックス代謝の不均衡を是正する薬剤として、我々が効果を示した選択的c-Fos/AP-1阻害薬の破骨細胞分化に対しする効果をin vitroで検証した。具体的に、マウス由来マクロファージ様細胞株Raw 264.7細胞を単層培養し、RANKLを付加することで、破骨細胞へ分化誘導した。そこに選択的c-Fos/AP-1阻害薬を加えることで、破骨細胞分化が抑制されるかを検討した。まずは、TRAP染色での評価を試みたが、薬剤添加により細胞接着が阻害され、正確な評価が困難であった。今後の条件検討や使用する細胞株(マウス骨髄由来幹細胞など)の変更も考慮している。さらに、qPCRによる遺伝子発現評価も追加していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
使用する細胞株を含めた条件検討に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
使用する細胞株をRaw細胞からマウス骨髄由来幹細胞へ変更し、更なる検討を行う。同時にqPCRによる遺伝子発現評価も行い、薬剤の効果を多面的に評価していく。in vitroの系が確立した後に、分化させた破骨細胞をデンチン上で培養し、吸収窩面積を定量化することで、骨吸収能を評価する。同時にLumbar spine instabilityマウスを作製し、椎体終板における破骨細胞の働きを明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
(理由) 次年度に更なる実験の継続、および研究内容の発表のために必要となった。 (使用計画) 研究費の使用内訳は、①組織学的評価、PCR、免疫組織化学、実験動物の飼育に必要な試薬等の購入、②研究成果の発表に必要な経費である。
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Research Products
(3 results)