2021 Fiscal Year Research-status Report
半月板欠損に対する脂肪由来幹細胞シートを用いた新規治療法の開発
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21K16680
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大島 健史 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (20735435)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脂肪由来幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
半月板は自然治癒能力が極めて低く、一度切除された半月板は通常再生しないと考えられている。申請者グループは脂肪由来幹細胞シートを用いた再生医療研究から、脂肪由来幹細胞シートがウサギ半月板再生を促進することを明らかにしてきた。本研究では、半月板欠損モデルを作成し、脂肪由来幹細胞シートを用いて半月板欠損に対する新規治療法の開発を目指している。ウサギから脂肪由来幹細胞シートを作成するために脂肪組織を採取した後、ランダムに全欠損モデル群と部分欠損モデル群の2群に割り付けた。それぞれ片側のみ脂肪由来幹細胞シートを移植し、対側は欠損したままとした。脂肪由来幹細胞シート移植後4週および12週で半月板を取り出し、組織学的特徴と半月板細胞の遺伝子発現を解析した。脂肪由来幹細胞シートは、2種類のウサギモデルにおいて、血管の有無にかかわらず、半月板の再生を促進していた。標識された脂肪由来幹細胞は、両群とも再生半月板組織とその周囲の滑膜組織に存在していた。両群とも4週目には半月板表層に沿って滑膜様組織が再生半月板を覆っていたが、12週目には滑膜様組織が減少していた。脂肪由来幹細胞を用いた再生半月板の再生機構は、両群で同様であった。しかし、再生組織のコラーゲン成分は欠損部位によって異なっていた。計画は順調に進行しているが、現在統計学的に有意な症例数が終了していないため、引き続き研究を継続し、症例数を増やして再度検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進行している
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Strategy for Future Research Activity |
モデル作成と、各群の再生半月板の評価を継続する。
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Causes of Carryover |
COVID-19による影響を受け、オンサイトでの学会がなくなったため旅費として計上した経費が不使用であった。
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