2022 Fiscal Year Research-status Report
microRNAを標的とした凍結肩の病態解明と新たな治療戦略
Project/Area Number |
21K16687
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原田 洋平 広島大学, 病院(医), 助教 (40829800)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 凍結肩 / 線維化 / microRNA 26a |
Outline of Annual Research Achievements |
10週齢雄C57BL6/Jマウス(野生型)とmiR-26a全身ノックアウトマウス(miR-26a KO)を用い、凍結肩モデルを作成した。モデル作成後1週を炎症期、6週を拘縮期、6週後に糸の除去をして2週経過したものを回復期モデルとし、他動肩関節可動域、組織学的検討(H&E染色、Masson Trichrome染色およびサフラニンO染色)を行った。さらに各週で肩関節包をそれぞれ採取し、滑膜炎や線維化に影響する各遺伝子の発現(IL-6、TNF-α、TGF-β、CTGF、タイプI・IIIコラーゲン、HGF)をリアルタイムRT-PCR法で評価した。他動肩関節可動域はmiR-26a KOが各週で有意に大きかった。組織学的検討ではH&E染色において、miR-26a KOの方が炎症期モデルで炎症細胞の浸潤が少なく、拘縮期モデルで関節包が薄かった。Masson Trichrome染色における線維化の程度は、miR-26a KOの方が拘縮期モデルで少なかった。さらに、サフラニンO染色にて、野生型は拘縮期モデルで上腕骨頭下方の軟骨様形成を認めたが、miR-26a KO では全く認めなかった。滑膜炎や線維化関連遺伝子の発現も、miR-26a KOの方が炎症期と拘縮期モデルで低下していた。以上のことより、miR-26a KOは、野生型と比較して、凍結肩モデルにおいて他動肩関節可動域、組織学的および遺伝子発現解析において一貫して線維化が抑制されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
miR-26aノックアウトマウスの数に限りがあり、モデル作製に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はmiR-26aノックアウトマウス凍結肩モデルマウスの肩関節包細胞を用いて、miR-26aを投与することで線維化関連サイトカインが増幅されるかなど、in vitroの実験を行い、miR-26aの線維化に関わる機序について解明を行う予定である。
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Causes of Carryover |
使用する予定の試薬が、実験予定の軽微な変更により後回しとなり、まだ購入していないため。今後購入予定のため、使用する予定である。
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Research Products
(1 results)