2021 Fiscal Year Research-status Report
異常感覚克服のための各種触覚機械受容器イオンチャネルの同定
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21K16691
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
曽根勝 真弓 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (40725579)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 触覚 / 電気生理学 / single fiber recording / 電位依存性カリウムチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
8-10 週齢 C57BL/6 雄マウスのヒゲ毛根を、ヒトの指先と相同の標本として用いた。ヒゲ毛根に投射する有髄神経に Pressure-clamped single-fiber recording を適用し、rapidly adapting(RA)、slowly adapting type 1(SA1)、slowly adapting type 2(SA2)機械受容器に分類したのち、代表的な電位依存性カリウムチャネル遮断薬であるテトラメチルアンモニウム(TEA)、4-アミノピリジン(4ーAP)に対する反応を調査した。 まず 10m M という高濃度の TEA を上記3種類の機械受容器に還流したところ、RA、SA1機械受容器の活動電位発生には影響がかったが、SA2機械受容器の触刺激による活動電位数は有意に増加した。同様に 5mM TEA でも SA2 機械受容器の触刺激による活動電位数は有意に増加したが、反対に 1mM、200μM という低濃度 TEA では、SA2 機械受容器の触刺激による活動電位数は有意に減少した。 次に 1mM の 4ーAP を3種類の機械受容器に還流したところ、RA 機械受容器は特に反応を示さなかったが、SA1、SA2 機械受容器の触刺激による活動電位数は、有意に減少した。4ーAP を 100μM と低濃度にすると、SA1 機械受容器は変化を示さなかったが、SA2 機械受容器の触刺激による活動電位数は、100μM、さらに 20μM 4ーAP によっても有意に減少した。 以上から元々の仮説通り、RA、SA1、SA2 機械受容器には、それぞれ異なる電位依存性カリウムチャネルが発現していることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り令和3年度内に、RA、SA1、SA2機械受容器の、代表的な電位依存性カリウムチャネル遮断薬に対する感受性の違いを確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
電位依存性カリウムチャネルには多くのサブファミリーがあり、それぞれTEA、4-APに対して異なる感受性を持つため、各機械受容器に発現している可能性の高いサブファミリーについてより選択的なチャネル遮断薬を購入し、薬理学的実験を継続していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で学会がウェブ開催などになり、予定出張費などを使用しなかったため。 次年度の学会参加で使用予定である。
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