2022 Fiscal Year Research-status Report
人工膝置換術後遷延痛における滑膜炎の影響と血管塞栓療法の有効性
Project/Area Number |
21K16710
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
杉村 夏樹 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (50587540)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人工膝関節置換術 / 遷延痛 / 滑膜炎 / 超音波診断装置 / 血管塞栓療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
特定臨床研究の認可を得て、研究を開始した。 現在登録は4名で、ランダム化され保存療法群2名、経動脈的微細血管塞栓療法(TAME)群2名で、経過観察中である。 術前の保存療法群/TAME群のWOMAC pain subscaleは中央値でそれぞれ10(6-14)点/11.5(11-12)点、術後1週間では11.5(5-18)点/3(0‐6)点であり、変化量で+1.5点/-8.5点であり、TAME群の痛みが軽減している。術前total PD scoreは8(5-11)点/10.5(10-11)点 、術後は10(8-12)点/9(5-13)点で、変化量で+2点/-1.5点でTAME群がわずかに改善量が大きい傾向である。両群に有害事象はなく経過良好である。TAMEが有効な症例と無効な症例がいるように見えるが、症例が少なくまだ判断できない。 登録症例のリクルートに難渋しており、現在県内関係施設にリクルートポスターの設置など募集依頼をかけている。また高知県内の地方学会などで途中経過の報告を行い整形外科に認知してもらいリクルートを促進する。研究開始当初よりリクルートには難渋しており、安全性に影響しない範囲内で除外基準を見直し、それにより適応できた症例もあった。また術後1年の経過観察期間と頻回の来院のために研究参加を辞退する患者もおり、研究の質を担保するためにはできるだけ避けたいが、手術計画を見直す必要があるかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在登録は4名で、ランダム化され保存療法群2名、経動脈的微細血管塞栓療法(TAME)群2名で、経過観察中である。 最終的には各群10名ずつの登録が必要なのでやや遅れていると判断する。 当初の想定より、患者のリクルートに難渋していることが遅延の理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
登録症例のリクルートに難渋しており、現在県内関係施設にリクルートポスターの設置など募集依頼をかけている。 また高知県内の地方学会などで途中経過の報告を行い整形外科に認知してもらいリクルートを促進する。
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Causes of Carryover |
「研究実績」の頁での報告の通り、患者のリクルートに難渋している。本研究の予算のほとんどは患者の治療費(特にTAMEの手技)に充てられているが、2022年度は別の同年度内消化が必要な研究費を用いて4名の治療は行った。そのため、2022年度は科研費を使用する機会がなかった。また今後行うべき16名の治療費として科研費はできるだけ次年度に繰り越す必要があった。 今後、保存療法群8例(5万円)、TAME群8例(35万円)を予定しており、全例行えれば約320万かかる見込みである。また学会発表(20万円x2)、論文校正・投稿料(20万)など予定している。
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