2021 Fiscal Year Research-status Report
肩峰下滑液包由来レプチンを介した腱板断裂後の炎症・疼痛制御機構の解明
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21K16716
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
田澤 諒 北里大学, 医学部, 助教 (30749883)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レプチン / 肩峰下滑液包 / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会の我が国において肩腱板断裂患者は増加している。腱板断裂は60歳以上の約30%に生じるが、その疼痛機序は明らかになっていない。腱板断裂による肩関節痛は患者の生活の質、日常生活動作を著しく低下させるため、疼痛機序解明は重要である。腱板断裂におけるレプチンを介した炎症・疼痛機序を明らかにすべく検討を行った。鏡視下腱板縫合術時に腱板断裂患者 33名から採取した肩峰下滑液包(Subacromial Bursa, SAB)を検討に用いた。リアルタイムPCRを用いてSABにおけるLEPTIN, 炎症性サイトカイン(TNFA, IL1B, IL6)、マクロファージマーカー(CD68, CD14, CD163)の発現を検討した。LEPTINと各遺伝子発現との相関についてはSpearman 順位相関係数 を用いて有意水準は5%(両側検定)とした。その結果、腱板断裂患者のSABにおけるLEPTINの発現はTNFA, IL1B, CD68, CD163の発現と相関を示した (TNFA, ρ=0.488, P=0.005; IL1B, ρ =0.523, P=0.003; CD68,ρ=0.442, P=0.010; CD163, ρ=0.472, P=0.006)。一方、CD14(ρ=0.174, P=0.333), IL6(ρ=-0.039, P=0.835)とLEPTINとの間に相関は認められなかった。次に、磁気ビーズを用いてSABからマクロファージを分離し、解析した。その結果、IL1Bの発現は線維芽細胞分画に比してマクロファージ分画で高かった (P=0.018)。このことから、レプチンはマクロファージに作用してSABにおける炎症性サイトカインの産生亢進に関与しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肩峰下滑液包におけるレプチンの発現が炎症性サイトカインの発現と関連する可能性を明らかにしており、当初の予定どおりおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
レプチンと炎症性サイトカインとの関連性を in vitro研究により検討する。また、症例を蓄積し、患者病態とレプチンとの関連性を検討する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Increased nerve growth factor expression in the synovial tissues of patients with rotator cuff tears.2021
Author(s)
Tazawa R, Kenmoku T, Uchida K, Arendt-Nielsen L, Nagura N, Nakawaki M, Matsumoto T, Inoue G, Takeuchi H, Jimbo T, Nakazawa T, Fukuda M, Takaso M
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Journal Title
Mol Pain
Volume: 17
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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