2022 Fiscal Year Research-status Report
肩峰下滑液包由来レプチンを介した腱板断裂後の炎症・疼痛制御機構の解明
Project/Area Number |
21K16716
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
田澤 諒 北里大学, 医学部, 助教 (30749883)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | Leptin / コレステロール |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究でLeptinは肩峰下滑液包における炎症に関与する可能性が示唆された。本年度は腱板断裂患者における脂質異常症の罹患率が高いことに着目し、脂質異常症を伴う腱板断裂患者および高脂肪食接種ラットにおけるLeptinの発現を検討した。Wistar rat に高脂肪食を接種させた群(high fat diet, HFD群)、通常食を接種させた群(normal diet, ND群)を作製した。接種後2, 4, 8, 12週後に腱板組織を採取後、RNAを抽出し、RNA-sequencing、リアルタイムPCRを行った。血清中のLeptin濃度、コレステロール、トリグリセリド濃度は経時的に増加したが、高脂肪食を接種したラットの腱板局所におけるleptinの発現は通常食を接種したラットと同等であった。同様に、高コレステロール血症患者の肩峰下滑液包におけるleptinの発現はコレステロール値が正常の患者と同等であった。しかし、RNA-Sequecncing の結果、高脂肪食を接種したラットでは Adipocytokine signaling pathway に関する遺伝子群に変化が認められた。このことから全身性に増加したleptinが腱板組織に作用している可能性が示唆された。全身性に増加した Leptinが肩峰下滑液包局所での炎症を惹起している可能性がある。また、高脂肪食を接種した群では Axon guidanceに関わる遺伝子群の発現が増加した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レプチンの作用や局所での動態を明らかにしており、概ね順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
高脂肪食群で変動が認められた Axon guidance gene とレプチンとの関連性を明らかにする。
|
Research Products
(3 results)