2023 Fiscal Year Annual Research Report
肩峰下滑液包由来レプチンを介した腱板断裂後の炎症・疼痛制御機構の解明
Project/Area Number |
21K16716
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
田澤 諒 北里大学, 医学部, 助教 (30749883)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レプチン / 腱板断裂 / 炎症性サイトカイン / 軸索伸長制御因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会の我が国において肩腱板断裂患者は増加している。腱板断裂は60歳以上の約30%に生じるが、その疼痛機序は明らかになっていない。腱板断裂による肩関節痛は患者の生活の質、日常生活動作を著しく低下させるため、疼痛機序解明は重要である。昨年度までの研究でLeptinは肩峰下滑液包における炎症に関与する可能性、leptinによりAxon guidance 遺伝子が誘導される可能性を示唆した。本年度はleptinがaxon guidance geneの発現上昇を介して炎症、疼痛に関与するとの仮説のもとラット腱板断裂モデルを用いた検討を行った。雌性 10週齢 Wistar rat を用いて腱板断裂モデルを作製した。腱板断裂 0, 3, 7, 14, 28日に腱板組織を採取後、leptinおよび軸索伸長因子 Netrin-1, Netrin-4の発現を検討した。Leptinの発現上は断裂後14日目に有意に上昇した。その発現上昇と一致してNetrin-1, Netrin-4の発現は断裂後14日目に上昇した。また、同タイムポイントで COX-2, TNF-aの上昇を認めた。さらに、in vitroにおいてPEG2, TNF-aは腱板細胞におけるNetrin-1の発現を上昇させたことから、Leptinを介した炎症シグナルが軸索伸長因子の発現を調節している可能性が示唆された。Netrinは変形性関節症や腰痛に関与することが報告されていることから、LEPTIN/炎症性サイトカイン/軸索伸長制御因子の制御は腱板断裂時の疼痛に重要な役割を果たしている可能性がある。LEPTIN制御は疼痛治療標的として有用かもしれない。
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Research Products
(1 results)