2023 Fiscal Year Research-status Report
The Mechanism of Articular Destruction by Autoantibodies Related with Rheumatoid Arthritis
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21K16723
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Medical Center (Clinical Institute) |
Principal Investigator |
櫻庭 康司 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 整形外科医師 (00747579)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 抗マロンディアルデヒド修飾タンパク抗体 / 破骨細胞 / 滑膜炎 / 細胞代謝 / 解糖系 |
Outline of Annual Research Achievements |
RAには疾患に関連す る自己抗体が複数報告されている。近年、これら自己抗体の一部が破骨細胞分化促進や滑膜線維芽細胞活性化を直接誘導することが明らか とされた。本研究は、 RA関連自己抗体の1つである抗マロンディアルデヒド修飾タンパク抗体(抗MDA抗体)に注目し、破骨細胞分化や滑膜線維芽細胞へ及ぼす影 響とそのメカニズム を解析して、新たなRAの病態を解明しようとするものである。 これまでの研究から、抗MDA抗体はFcg受容体1型を介して細胞内代謝を亢進して解糖系および酸化的リン酸化を活性化させることにより、マクロファージを破骨細胞文化へと促進していることが明らかとなった。vivoにおいても、マウスに抗MDA抗体を静注しマイクロX線で脛骨を解析したところ、海面骨厚と骨量ともに減少していた。 ところで、活性化マクロファージが炎症環境下で解糖系亢進する際にHIF-1a(低酸素誘導因子)が関連することが知られているが、この抗MDA抗体が誘導する破骨細胞分化誘導メカニズムにもHIF-1aが関与することがわかった。そこで、抗MDA抗体による破骨細胞分化促進効果の背後にある分子メカニズムをより詳しく理解するためにRNAシークエンスを行った。しかしながら、細胞代謝に関わる酵素や制御因子、接着関連分子、細胞骨格や細胞外マトリックス、免疫システムのメディエーターなどの多くの因子が発現増強もしくは低下しており、抗MDA抗体による効果は比較的複雑な多因子メカニズムを介していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗MDA抗体の破骨細胞分化促進メカニズムで重要であると考えられる細胞代謝について、RNAシークエンスで網羅的に調べてその全体像を確認できた。しかし、今年度計画していた質量分析装 置を用いたメタボロミクス解析を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
抗MDA抗体が破骨細胞分化促進するメカニズムで重要と考えられる細胞体代謝について、質量分析装 置を用いたメタボロミクス解析を行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
検体サンプルを思うように集めることができず、実験を大きく進めることができなかった。また、コロナ禍で余っていたスタートアップの繰越金より先に使っていたため、次年度に繰り越すこととなりました。
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