2021 Fiscal Year Research-status Report
筋層非浸潤性膀胱癌の自然史におけるがんゲノム病理と癌免疫微小環境の解明
Project/Area Number |
21K16726
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河原 貴史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50758919)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / がんゲノム病理 / BCG療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)の自然史におけるがんゲノム病理とがん免疫微小環境の経時的な変化を通してBCG療法抵抗性の機序を解明するために、まずDNAシークエンス解析が可能な、ヒト膀胱癌FFPE検体のリストアップ作業を行った。同一患者で初発・再発ペア検体が解析可能な症例は合計42例で、BCG療法ありの再発は17例、BCG療法なしの再発は25例であった。これらFFPE検体を薄切後にHE染色を行い、腫瘍部をマーキングし腫瘍含有率を求め、DNAシークエンス解析に備えた。併せて、電子カルテよりこれら42例の患者背景や腫瘍背景に関する臨床情報を収集し、解析用の統合データベースを作成した。さらに、がんゲノム病理とBCG抵抗性に寄与する免疫細胞の検討に向けた予備解析として、初発NMIBC検体を前向きに採取し、腫瘍浸潤リンパ球を分離しフローサイトメトリーでの解析を行ったところ、CD45陽性リンパ球は腫瘍浅層と比較して、腫瘍深層で著明に多く存在することが明らかとなった。さらに、これらのうちCD4陽性細胞は腫瘍浅層で多く、CD8陽性細胞は腫瘍深層で多くみられる特徴が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
解析予定の検体は準備できたものの、DNAシークエンス、RNAシークエンスの受託解析に係る契約手続きに時間を要しており未解析のため。
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Strategy for Future Research Activity |
受託解析の契約完了後、速やかに検体を提出し、DNA・RNAシークエンス解析を行う。前向きNMIBC検体を用いたフローサイトメトリー解析による、がんゲノム病理とBCG抵抗性に寄与する免疫細胞の検討も併行して行っていく。
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Causes of Carryover |
DNAシークエンス、RNAシークエンスの受託解析に係る契約手続きに時間を要したため、当初予定していた解析にかかる費用等を使用できなかったため。新年度に入り次第、早急に解析に取りかかる予定である。
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