2022 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ節転移微小環境における癌進展機構に立脚したリンパ節修飾薬の開発
Project/Area Number |
21K16739
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
八重樫 洋 金沢大学, 附属病院, 助教 (00835275)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 腫瘍随伴マクロファージ / ケモカイン / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、TGF-b1およびCCL2に焦点をあて前立腺癌細胞のリンパ節への転移能がどのように変化するか検討した。TGF-b1とCCL2の同時刺激がERKを活性化させている可能性について検討したが、CCL2単独の作用と比較し、十分な相加・相乗的な変化が認められなかった。そこで、リンパ節転移を誘導する主なシグナルとしてCCL2とその受容体CCR2に注目した。これまでの研究から、CCL2-CCR2軸は前立腺癌細胞の転移能の獲得には極めて重要なシグナルであることがわかっているが、どのようにCCL2-CCR2軸が活性化するかは解明されていない。アンドロゲン受容体シグナルの遮断は一時的に奏効するが、のちにリンパ節転移増悪をきたす。去勢抵抗性となった後のリンパ節転移増悪プロセスを解明する上で、まずアンドロゲン受容体シグナルの遮断によりCCL2-CCR2軸が活性化する機構の解明に焦点を当てた。すでにAR下流のmicro RNAが関与する可能性を明らかにしているが、前立腺癌細胞へのDHTの添加でmicro RNA-124-3p.2が発現亢進することを確認した。さらにDHTの添加でCCL2の発現も低下した。ARノックダウンした上でmicro RNA-124-3p.2ミミックを添加したところ、亢進していたCCL2の発現が低下したことから、ARがmicro RNA-124-3p.2を誘導し、CCL2を制御していることが示唆された。
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