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2021 Fiscal Year Research-status Report

精巣内分泌機能の改善・再構築に向けた基礎および臨床的検討

Research Project

Project/Area Number 21K16740
Research InstitutionShiga University of Medical Science

Principal Investigator

富田 圭司  滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30640148)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords精巣内分泌機能 / ライディッヒ細胞 / テストステロン
Outline of Annual Research Achievements

In vitro精子形成モデルにおいてD型アスパラギン酸を培地に添加することにより、精巣組織内での精子幹細胞分裂が阻害することがわかった。一方精巣組織中にはD型アスパラギン酸が存在することが確認され、その局在は精子細胞の細胞質であることがわかった。さらに成熟し遊離した精子にはD型アスパラギン酸は含まれず、精子成熟に伴い精子細胞の細胞質に含まれる形でセルトリ細胞へ放出されることが想定された。これによりD型アスパラギン酸はセルトリ細胞からさらに間質へ放出されることでライディッヒ細胞に作用し、in vivoでもテストステロン合成を促進するという仮説を立てた。
Percoll濃度勾配法によりマウス精巣よりライディッヒ細胞を高いpurification rateで遊離し、これを培養することに成功した。次にこの培養系において、その培地へD型アスパラギン酸を添加することで、添加していないコントロール群と比較し培地中へのテストステロン合成が促進される可能性が示唆された。また購入可能なライディッヒ細胞株の初代培養においても、同様にD型アスパラギン酸によるライディッヒ細胞のテストステロン合成の可能性が確認できた。さらにIn vitro精子形成モデル(Ex vivoモデル)の培地にD型アスパラギン酸を添加し、精巣組織そのものから培地中へのテストステロン分泌を観察したが、培養後の培地中テストステロン濃度を測定したところ、コントロール群と比較しテストステロン濃度の上昇は確認できなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ヌードマウスへのライディッヒ細胞皮下移植による生着を認めていないため、その後のvivoでのD型アスパラギン酸の影響検討や精巣内分泌機能再構築の検討ができていない。また基礎的検討の結果が出ていないために、その先の臨床的な検討へも進めていないのが現状である。分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤など新規の薬剤によるマウス精巣機能への検討については、薬剤の確保や影響が検討できる投与量など、条件検討が非常に難しい。以上の理由で基礎的検討、臨床的検討も当初の見通しよりも遅れている状況となっている。

Strategy for Future Research Activity

D型アスパラギン酸によるex vivoモデルでのテストステロン合成促進を確認するため培養系の条件検討を行う。またヒト精巣から単離されたライディッヒ細胞株が入手可能となっており、ヒトライディッヒ細胞株の培養でのD型アスパラギン酸の精巣内分泌機能への影響もあわせて検討する。抗がん剤処理したヌードマウスおよび精巣摘出をしたヌードマウスの皮下へ、単離したマウスライディッヒ細胞および購入したライディッヒ細胞株を移植し生着する条件を検討する。それができれば観察後にマウス血清中のテストステロン濃度を測定し、コントロールとの比較により精巣内分泌機能が再構築できるかを確認する。
ヒト精巣組織中のライディッヒ細胞への抗がん剤などの薬剤の影響を検討するため症例、検体の確保が必要であるが、まずはマウスを用いた検討である程度の結果を確認した後に検討へ進む方針のため、できるだけ速やかに基礎的検討を進める。

Causes of Carryover

研究課題の進捗状況が想定よりも遅れており、その分実験に必要とした額が当該年度は低くなったため。

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Published: 2022-12-28  

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