2021 Fiscal Year Annual Research Report
Overcoming heterogeneity with circulating tumor DNA in urothelial carcinoma and establishing personalized medicine
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21K16741
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 剛佑 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00804410)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 循環腫瘍DNA / 上部尿路上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は血中循環腫瘍DNA(ctDNA)がUTUCにおいて有用なバイオマーカーとなりうるかを検討するため、限局性及び転移性UTUC患者50例の未治療時点での血液サンプルを採取し、cfDNAと血球DNAを抽出した。また、手術及び生検で採取した癌組織からもDNAを抽出した。ThermoFisher scientificのOncomine Pan-Cancer Cell-Free Assayを用いて、cfDNAのターゲットシークエンスを施行したところ、50例中25例(50%)でcfDNA中に変異を検出した。変異遺伝子はTP53が最多で、次いでPIK3CA、FGFR3等が含まれていた。血球DNAのターゲットシークエンス、癌組織DNAの全エクソームシークエンスの結果と照合した結果、cfDNA中のTP53変異のうち19%はクローン性造血(CH)による偽陽性であった。また、癌組織DNA中の変異と一致したのは29%で、52%はcfDNA中でのみ検出された。CHによる偽陽性を除外した結果、50例中23例(46%)でctDNAを検出した。ctDNA陽性の23例のうち15例ではcfDNA中のctDNA分画が2%を超えていた。UTUCに対して根治手術を施行した43例では、術前のctDNA分画>2%の症例では0-2%の症例と比較して有意に全生存率、無再発生存率が不良であった。さらに、多変量解析の結果、無再発生存率に関する術前リスク因子のうち、ctDNA分画>2%のみが独立した予測因子であった。 これまでの研究でctDNAがUTUCにおける術前の予後予測因子として有用であることが明らかになった。今後は術後のctDNAによる微小残存病変の検出や、転移性UTUC患者に対する全身治療のモニタリングマーカーとしての有用性を検討する予定である。
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Research Products
(1 results)