2022 Fiscal Year Research-status Report
外尿道括約筋におけるdecorinの機能解析と治療標的としての意義
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21K16742
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
篠原 麻由香 大分大学, 医学部, 助教 (30774666)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | decorin / 外尿道括約筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、ヒト筋細胞不死化法(CyclinD1、CDK4、TERT遺伝子導入)にて不死化後、FACSにて横紋筋マーカーであるCD56陽性細胞を純化し、得た不死化ヒト外尿道括約筋細胞(US2KD)を使用した。 US2KDにリポフェクション法にてdecorin遺伝子を導入してHygromycineBでselectionを行い過剰発現株(US2KD/DCN)を作成し、Growth testを施行した。また、US2KD/WTとUS2KD/DCNを分化誘導し、横紋筋分化マーカ―であるMyosin heavy chain(MHC)の発現をRT-PCRおよびWestern blotting法で比較した。 Growth testでは、US2KD/DCNはUS2KD/WTと比較して有意に増加した。また、US2KD/DCNは分化誘導後、RT-PCRではUS2/DCNはUS2KD/WTと比較してMHC1の発現が有意に増加したが、MHC2の発現は減少していた。今後はUS2KDにおいてdecorinのノックダウン株を作成し、増殖分化過程における変化について検討する。
現在少ない数ではあるが複数の個体から採取した外尿道括約筋をもとにそれぞれ長寿化を行っており、hTERTのみを遺伝子導入し長寿化したヒト外尿括約筋でも実験をすすめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R3年度より大学医学部研究棟の改修工事が行われており、実験実習機器センターの機器の使用、細胞培養などが行える場所と時間が十分に確保できなかったため、実験計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに確立できたヒト外尿道括約筋細胞株を用いて、decorinの関連因子の機能解析を行う。機能解析として、定量的RT-PCRによるmRNAの発現、western blottingや免疫組織化学による蛋白発現について他の横紋筋(肛門挙筋、腹直筋等)の差異を検証する。 またsiRNAを用いてdecorinをノックダウンさせた細胞において、筋分化や上流・下流因子の変化を検証する。
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Causes of Carryover |
R4年度は当大学研究棟の改修工事のため実験環境が十分得られず、実験計画に遅れが生じたた。またコロナ禍によりweb開催の学会が多く、旅費の使用額が予定よりも少なかった。次年度は実験環境が整っているため、実験に必要な抗体の購入、研究についての勉強および当研究の発表への旅費、また論文作成のための英文校正費に使用する予定である。
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