2022 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌の去勢抵抗性増殖を起こすFAK-YAP経路を活性化する新規GPCRの探索
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21K16753
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
五島 悠介 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (00710576)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 去勢抵抗性前立腺癌 / ムスカリン受容体 / 機能性RNA / G蛋白共役型受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の患者の治療法は限られており、癌細胞の進展や転移の制御は困難を極める。CRPC新規治療法の開発には、去勢抵抗性増殖のメカニズムの解明が重要である。申請者は、最近、CRPCにおけるFAK-YAPシグナルの活性化と、その亢進による前立腺細胞の去勢抵抗性増殖を見出し、この遮断がCRPCの治療標的となり得ることを報告した。近年、このFAK-YAPシグナルの上流として、Gタンパク共役型受容体(GPCR)が重要な役割を果たすことが、相次いで報告されている。特に、GPCRは薬剤開発標的となりやすいことが魅力的である。このような背景の中、本研究では、去勢抵抗性増殖の一因であるFAK-YAPシグナル活性化を来すGPCR探索と、そのシグナル遮断による新規治療の探索を目的とした。 申請者の先行研究で、GPCRのうち、GqとカップリングするGPCRにリガンドが結合すると、FAK-YAPシグナルの活性化が起こる可能性を見出した。特に、GPCRのうち、CHRM1(ムスカリン受容体1)とCHRM3(ムスカリン受容体3)の下流に、FAK-YAPシグナルが存在することを報告している。 去勢感受性前立腺癌細胞株をアンドロゲンが存在しない条件下(去勢環境下)におき、CHRM1とCHRM3の発現を確かめると、これら受容体の発現は亢進した。さらに、このメカニズムを見出すため、この去勢環境下においた去勢感受性前立腺癌細胞株からRNAを抽出し、網羅的RNA発現解析を行った。CHRM1, CHRM3を制御しうるマイクロRNAを見出し、これらが実際にこれら分子を制御するか確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初新型コロナウイルスの影響で遅延していたが、徐々に研究活動を再開できており、おおむね順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
CHRM1, CHRM3を制御するマイクロRNAについて、下流のFAK-YAPシグナルに及ぼす影響について検討する。
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