2022 Fiscal Year Research-status Report
精索静脈瘤による精巣上体での精子成熟障害の機序解明と新規治療ターゲットの探索
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21K16754
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲垣 裕介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (80804400)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 男性不妊 / 精索静脈瘤 |
Outline of Annual Research Achievements |
精索静脈瘤ラットモデルを用いて、コントロール群、精索静脈瘤群、シリコン成分剤を摂取した精索静脈瘤群の左精巣上体及び左精巣上体精子をそれぞれ頭部、体部、尾部に分け採取した。精巣上体尾部組織を用い遺伝子発現をマイクロアレイを用いて評価した。各群での遺伝子発現の変化を比較し解析したところ、酸化ストレスに関連する遺伝子や、精巣上体の上皮の維持に関連する遺伝子など、すでに報告のある遺伝子の発現変化を認めた。その一方で、精索静脈瘤による変化とは関連性が低そうな遺伝子も複数個抽出できた。精巣上体頭部組織のマイクロアレイでの評価でも、同様に酸化ストレスや炎症に関連する遺伝子の発現変化を認めた一方で、明らかな関連を認めない遺伝子も複数抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
精巣上体尾部・頭部のマイクロアレイ結果を解析し、各群で発現変化した遺伝子を抽出することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
抽出した遺伝子のうち精巣上体での精子成熟に関与する可能性のある遺伝子の候補を絞り込む。また、精巣上体各部位から採取した精子表面タンパクの評価を行い、精子成熟過程において精索静脈瘤により影響を受けやすい部位を同定する。上記の解析から得られた情報をもとに、精子成熟に影響する可能性のある候補遺伝子リストを作成し、それらの遺伝子をノックアウトしたマウスの作成を目指す。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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