2021 Fiscal Year Research-status Report
「DDX31」遺伝子改変による尿路上皮癌自然発癌モデルによる免疫複合治療の開発
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21K16755
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大豆本 圭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (10745516)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 尿路上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
尿路上皮癌の浸潤における初期段階でDDX31が核内で変異型p53/SP1と複合体を形成すること、さらに進行した段階ではDDX31が細胞質にてDDX31-NCL-EGFRと複合体を形成することで恒常的なEGFRシグナルにより顕著な癌進展をきたすことを証明し、DDX31が多段階進展において重要な分子であることがわかっている。今回の研究ではTP53変異に伴う尿路上皮癌の多段階進展において、DDX31 がどのような時間過程で関連しているか、また近年、治療の中心となっている免疫チェックポイント阻害薬機構との関連を探索することを目的としている。本研究では「DDX31」遺伝子改変による尿路上皮癌自然発癌モデルによる免疫複合治療の開発を行うことであり、尿路上皮癌の多段階進展機構におけるDDX31の経時的な変化を確認するために、尿路上皮癌発癌モデルの1つであるN-butyl-N-(4-hydroxybutyl)-nitrosamine (BBN)による発癌モデルを用いた実験を行い、BBN暴露により尿路上皮でのDDX31発現が経時的に上昇することがわかった。またDDX31の生理的な機能を理解するためにDDX31のノックアウトマウスをCRISPR-Cas9システムで作成した。ホモでは胎生致死となり、ヘテロで雄、雌とも9か月生育することがわかった。さらにTP53ミスセンス変異である遺伝子改変マウスを作製した。さらにTP53ミスセンス変異+DDX31ノックアウトマウスを作製し、発癌進展がおこるかどうかを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で、実験計画の「DDX31」遺伝子改変による尿路上皮癌自然発癌モデルによる免疫複合治療の開発のために、「DDX31」遺伝子改変マウス、「TP53」ミスセンス変異である遺伝子改変マウスを作製した。遺伝子改変マウスの作製や飼育には時間を要するが、当初の計画通り研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画の「DDX31」遺伝子改変による尿路上皮癌自然発癌モデルによる免疫複合治療の開発のために、「DDX31」遺伝子改変マウス、「TP53」ミスセンス変異である遺伝子改変マウスでの発がん実験を行う。「DDX31」遺伝子改変マウス、「TP53」ミスセンス変異である遺伝子改変マウスでのN-butyl-N-(4-hydroxybutyl)-nitrosamine (BBN)による発癌モデルを用いた実験を計画しており、まずは経時的に尿路上皮の発がん過程や、免疫細胞について確認する予定である。さらに、DDX31ノックインマウスにおける癌進展促進の有無について調べる計画であり、尿路上皮にのみDDX31が発現するDDX31ノックインマウスを作成中である。TP53ミスセンス変異+DDX31ノックインマウスを作製し、発癌進展が早期から急激に悪化するかどうかを証明することを評価する方針である。
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Causes of Carryover |
(理由)3月に納品となり、支払いが完了していないため。 (計画)4月に支払いが完了する予定である。
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Research Products
(17 results)