2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation to the anti tumor activity of KIF4A in uterine leiomyosarcoma
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21K16769
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 慧 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30650593)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | leiomyosarcoma / LMS / KIF4A / antisense / biomarker |
Outline of Annual Research Achievements |
LMSにおける新規バイオマーカー、治療ターゲットを同定するために、isobaric tags for relative and absolute quantitation(iTRAQ)を用いて、正常ヒト子宮平滑筋細胞株と3種類のヒト子宮平滑筋細胞株SK-LMS、SKN、SK-UT1のプロテオミクス解析をおこない、KIF4Aを同定し、現在その機能解析を進めている。 siRNAによるKIF4Aノックダウン細胞の細胞増殖率をMST-8アッセイで評価した結果、増殖が有意に抑制された(SK-LMS:-37.2±4.73%、SKN:-87.7±4.02%、SK-UT1-28.1±3.00%、p<0.05)。また 、shRNAを用いてKIF4Aノックダウン細胞株を樹立し、ICRヌードマウスに皮下注射して腫瘍サイズの経時変化を評価したin vivo でも同様に、KIF4Aノックダウンにより腫瘍の増大を有意に抑制することが示された(SK-LMS:1186±118㎜3 vs 461±84㎜3、SK-UT1:1704±441mm3 vs 514±230mm3、p<0.05) これらの腫瘍増殖の機序解明のため、fluorescence-activated cell sorting(FACS)とウェスタンブロッティングによる細胞周期解析をおこなったところ、G2 / M期細胞の割合はKIF4Aノックダウンで有意に増加し、p-cdc2発現がKIF4Aノックダウンにより増強した。これより、KIF4Aノックダウンによりcdc2の脱リン酸化が阻害され、G2 / M期での細胞周期停止を誘発することが示唆された。現在、cdc2の脱リン酸化とKIF4Aの関係を明らかにするために、免疫沈降や、ユビキチンとの関連を検討する実験を継続して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroで細胞周期に関わっているという事実、in vivo でのShRNAによる増殖抑制効果も証明され、治療やバイオマーカーとしてのターゲットの目処がついたという点でおおむね順調に進行している。また、臨床検体のピックアップも終了しており、臨床データとの紐付けができる下準備は整っている。予定していた1年目の成果は得られていると考えられる。一方で、KIF4AがCDC2を介してLMSの増殖を抑制する機序については、その直接的な関連が不明であり、現在ユビキチン化によるCDC2との関連の実験や、結合を評価するための共免疫沈降を評価しているが、まだ機序を解明するには至っていない。今後リアルタイムPCRなどで、分解に作用するのか、発現に作用するのかを再度評価しながら、これらの機序を解明する検討を続けていく予定である。並行して、創薬に結びつくような核酸医薬による、発現抑制などが可能かの検討を行っていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず第1に、事象としての増殖抑制効果が明らかになったため、これらの相互関係、分解の阻害なのか、リン酸化とKIF4Aの関係を明らかにするために、免疫沈降や、ユビキチンとの関連を検討する実験を継続して行っている。今後リアルタイムPCRなどで、分解に作用するのか、発現に作用するのかを再度評価しながら、これらの機序を解明する検討を続けていく予定である。 第2に臨床検体の免疫染色、正常組織の免疫染色を行い、KIF4Aの局在を明らかにして、その治療ターゲットやバイオマーカーとしての活用方法を検討していきたい。 第3に創薬に結びつくような核酸医薬による、発現抑制、増殖抑制などが可能かの検討を行っていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
一部の実験が、covid-19の感染拡大により実施できない期間があったため。 2022年度に同実験を行う予定があり、進捗はおおむね順調である。
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