2021 Fiscal Year Research-status Report
センダイウイルスによる可逆的不死化卵巣癌細胞株の樹立と性状解析
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21K16770
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小松 宏彰 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (20866727)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / 不死化細胞 / センダイウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度に実施予定であった項目は不死化細胞の樹立である。 まずは正常卵巣上皮細胞、BRCA-1 mutation/BRCA-2 mutationのある卵巣上皮細胞、卵巣チョコレート嚢胞細胞、卵巣粘液性腺腫細胞を手術時の患者検体から採取し、不死化遺伝子を搭載したセンダイウイルスベクター(SeVベクター)を感染させた。初代培養を継代し、非感染細胞との増殖速度を確認した。 また、細胞株を長期継代(25継代)およびシングルセル化を行うためのcloningを実施した。SeV感染を確認した後に長期継代が実施可能であることを確認し、各細胞株の染色体解析(QH染色およびmFISH)を実施した。 また、作成した不死化細胞株から培養上清由来のエクソソームを超遠心法により抽出し、nanosightによる粒子径の計測、ウエスタンブロットによるタンパクの確認を行い、十分量のエクソソームが抽出できることを確認した。 さらに、各不死化細胞株からtotal RNAを抽出し、次世代シークエンス解析を行っている最中である。次世代シークエンス解析結果は今後も行う予定であるが、この結果によってさらなる研究課題が発見されると考えている。今後は各細胞についてさらに解析を進めていくが、研究開始当初の目標であった不死化細胞の樹立は成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究体制が充実していたこと、培地やウイルス感染の効率化により当初予定していた不死化細胞樹立が成功し、非常に順調に研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
不死化細胞のより詳細な解析を行うべく、不死化細胞のcloningを行うことを第一に行う。純粋に単一細胞からcloningされた細胞株の染色体解析およびmFISH解析を行い、異数性や構造異形の確認を行うとともに、目的の細胞株を用いてmRNA解析、NGS解析を進める。本研究により、複数の細胞株が不死化可能であることが実証できた功績は大きいと考えている。
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