2023 Fiscal Year Annual Research Report
オルガノイド培養を駆使した卵巣脱分化癌の発生、進展機構の解明
Project/Area Number |
21K16793
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
石橋 朋佳 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40643648)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | オルガノイド / 卵巣脱分化癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣脱分化癌は高分化癌と未分化癌が混在する腫瘍で進行が早く、アグレッシブな経過をたどる非常に予後不良な疾患である。卵巣脱分化癌の症例報告はあるが、認知度は低く、その頻度や実態は不明である。高分化癌が脱分化し未分化癌に変化していくと考えられているが、発癌進展の分子メカニズムは全く不明である。子宮脱分化型類内膜癌(dedifferentiated endometrial carcinoma: DDEC、Grade 1, 2の高分化型類内膜癌と未分化癌が混在する腫瘍)に関しては、当院および関連病院から17例のDDEC症例を集めて新規治療法の検討をすでにおこなった。その結果、DDECでは未分化な腫瘍部位でミスマッチ修復蛋白が欠損し、かつPD-L1発現が高いことを明らかにした。従来の化学療法に加え免疫チェックポイント阻害薬を併用することで更なる治療効果が期待できる可能性を報告した(Ono R, Ishibashi T et al., Int J Mol Sci. 2019)。 またこれまで2次元細胞培養下での薬物感受性試験、遺伝子解析が進められてきたが、近年in vivo の生理学的環境により近い3次元細胞培養が注目を集めている。ヒト細胞から直接形成することができ、3次元細胞培養下での発現プロファイルは2次元培養環境の場合と比較して、生理学的な重要性が高いと考えられている。正常な子宮内膜腺および単一腺由来のスフェロイドの作成には成功しKRAS/PIK3CAドライバー変異の状態を調査した(Sato S, Ishibashi T et al., Cancer Sci. 2023)。しかし卵巣脱分化癌は発生がまれであり、オルガノイドモデルの作成には至っていない。今後卵巣脱分化癌のオルガノイドモデルを完成され、卵巣脱分化癌発生機構の検証が次の目標である
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 妊娠初期に発見された子宮頸部細胞診異常の臨床的転帰2023
Author(s)
石川 雅子, 中山 健太郎, 山下 瞳, 石橋 朋佳, 佐藤 誠也, 皆本 敏子, 菅野 晃輔, 中川 恭子, 原賀 光, 飯田 幸司, 京 哲
Organizer
第75回日本産科婦人科学会学術講演会
-