2021 Fiscal Year Research-status Report
細胞老化に注目して多嚢胞性卵巣症候群の病態解明と新規治療薬の開発をする
Project/Area Number |
21K16808
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浦田 陽子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20572598)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多嚢胞性卵巣症候群 / 細胞老化 / 顆粒膜細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究目的>多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は無排卵性不妊の女性の80%を占めるが、その排卵障害の病態は十分には解明されておらず、特異的な治療法はない。老化細胞がsenescent-associated secretory phenotype (SASP)因子を介して慢性炎症や線維化を引き起こすことにより、細胞老化が様々な病態に関与していることは知られているが、卵巣における関与はほとんど報告されていない。本研究では、①PCOS卵巣における細胞老化とSASP因子、②顆粒膜細胞における高アンドロゲンによる細胞老化誘導、③細胞老化作用薬のPCOSへの有効性を明らかにすることを目的とする。 <実験方法>本研究では、ヒト顆粒膜細胞をヒト卵胞液より分離培養し、ヒト卵巣標本は婦人科手術で摘出した卵巣を用いて行う。PCOSモデルマウスは、幼若Balb/Cマウスにデヒドロエピアンドロステロン(6mg/体重100g)を毎日皮下注射して作成する。培養hGCの細胞老化は、senescence-associated beta-galactosidase (SA-βgal)活性、細胞周期の変化をフローサイトメトリー、細胞増殖能をMTTアッセイ、遺伝子発現(p16 INK4, p21, p53, retinoblastoma(Rb))をqPCR、蛋白発現(p16 INK4, p21, p53, Rb)をウェスタンブロットで確認し、検討する。 <結果1>PCOS女性の顆粒膜細胞で、老化細胞マーカーであるp16が強く発現している。 <結果2>デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)を投与して作成したPCOSモデルマウスの卵胞顆粒膜細胞で、老化細胞マーカーであるp16が強く発現している。 以上より、卵胞顆粒膜細胞において、細胞老化がPCOSの病態に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体は順調に収集できている。また、マウスモデルは順調に準備が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
①体外受精を行っている女性の卵胞顆粒膜細胞を用いて、in vitroで下記の実験を行っている。 アンドロゲン刺激により細胞老化マーカーが誘導されるか アンドロゲンにて誘導された細胞老化マーカーが、細胞老化作用薬で抑制されるか ②DHEAを投与して作成したPCOSモデルマウスを用いて、細胞老化作用薬の効果を評価している。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画より変更したため。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Temporal relationship between alterations in the gut microbiome and the development of polycystic ovary syndrome-like phenotypes in prenatally androgenized female mice2021
Author(s)
Akari Kusamoto, Miyuki Harada, Jerilee M K Azhary, Chisato Kunitomi, Emi Nose, Hiroshi Koike, Zixin Xu, Yoko Urata, Tetsuaki Kaku, Nozomi Takahashi, Osamu Wada-Hiraike, Yasushi Hirota, Kaori Koga, Tomoyuki Fujii, Yutaka Osuga
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Journal Title
FASEB J .
Volume: 35
Pages: -
DOI
Peer Reviewed