2021 Fiscal Year Research-status Report
組織選択的統合オミックス解析による子宮内膜症関連卵巣癌の病態解明と新規治療開発
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21K16810
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
須田 一暁 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80650621)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子宮内膜症関連卵巣癌 / レーザーマイクロダイセクション / 正常子宮内膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は先行研究において正常子宮内膜、卵巣子宮内膜症、内膜症関連卵巣癌で共通したゲノム異常が存在していることを明らかにしたが、癌化メカニズムを解明するためにはゲノム異常の機能的評価が不可欠であると考え本研究を進めている。そのため、まず正常子宮内膜から子宮内膜症・内膜症関連癌発症に至るまでの連続的なゲノム解析に加え、同一サンプルのトランスクリプトーム解析を行うために子宮内膜症関連卵巣癌(明細胞癌、類内膜癌)症例で組織選択的なサンプリングを進めた。すなわち、子宮内膜症関連卵巣癌における癌組織、癌近傍の子宮内膜症組織、癌から離れた(異型のない)子宮内膜症組織、正常子宮内膜組織の上皮をそれぞれレーザーマイクロダイセクションを用いて採取し、DNAおよびRNAの採取を行った。現時点で卵巣明細胞癌24症例より癌組織を35検体、癌近傍の子宮内膜症組織を9検体、癌から離れた子宮内膜症組織を9検体、正常子宮内膜組織を11検体のレーザーマイクロダイセクションを完了し、これらからDNAの抽出を完了している。また一部の組織においてRNAを同時抽出しており、RNAのクオリティの指標となるRIN値は概ね7~8程度と良好な値である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子宮内膜症関連卵巣癌において、前癌病変と想定される共存子宮内膜症上皮が非常に少ない症例が多く、これらから十分な核酸を得るためにレーザーマイクロダイセクションに要する時間を当初の予想より多く必要としている。
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Strategy for Future Research Activity |
組織学的評価を行いながら、レーザーマイクロダイセクションによる組織選択的サンプリングを継続し、核酸抽出を進める。得られたDNA、RNAよりゲノム・トランスクリプトーム解析を進める。
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Causes of Carryover |
シーケンスに用いる試薬購入を次年度に持ち越したため。
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