Drug development of preeclampsia targeting of gut microbiota

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K16813
• Research Institution: Kindai University
• Principal Investigator: 川崎 薫 近畿大学, 医学部, 助教 (60816932)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2026-03-31
• Keywords: 妊娠高血圧腎症 / メタゲノム解析 / 腸内細菌

Outline of Annual Research Achievements

研究者は2015年～2016年に京都大学医学部附属病院にて施行した疫学研究「メタボローム解析により妊娠高血圧腎症の病態に関与する代謝異常を同定する」にて、妊娠高血圧腎症の患者の胎盤では、動脈硬化の発症に関与する腸内細菌関連代謝産物TMAO（Trimethylamine N-oxide）が増加していることを見出した（Kawasaki K. Hypertension 2019）。妊娠高血圧腎症の罹患者は次回妊娠時妊娠高血圧腎症を発症し、また将来的に心筋梗塞などの冠動脈疾患を発症するリスクが非罹患者に比して高いことが知られている。本研究では、妊娠高血圧症候罹患者と非罹患者の分娩後の腸内細菌叢を比較することにより、妊娠高血圧症候群の発症や再発、また将来の冠動脈疾患発症に関与する腸内細菌叢の変化を評価することを目的とする。本研究により便検査による妊娠高血圧症候群の発症・再発予測や、食事やプロバイオティクスなどによる腸内細菌叢への介入による妊娠高血圧発症予防や予後改善、将来の冠動脈疾患予防に寄与できる可能性があり、周産期母子医療の向上ならびに女性の生涯にわたる健康推進に大きく貢献できると考えている。
2022年度は妊娠高血圧症候群に罹患した症例10例、罹患していない症例10例に対し、糞便サンプルの回収とアンケートを行った。アンケートでは、対象者の食生活、睡眠時間、運動習慣、排便状況（回数と性状）、身体所見（身長、体重）、健康状態（治療中の病気の有無、ある場合は治療内容、先行研究後の妊娠の有無、ある場合はその経過）、先行研究時に分娩した児の発育状態（身長、体重、健康状態）を調査した。糞便サンプルは外部委託機関にて16Sメタゲノム解析を行った。現在そのデータを解析中である。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

臨床サンプルの回収が終了したため、順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

メタゲノム解析の結果を評価し、食生活や積極的な乳酸菌摂取により腸内細菌叢が変化し、妊娠高血圧腎症や将来の心臓脳血管疾患の発症予防に寄与するかどうかを動物モデルを用いて検証する予定である。