2022 Fiscal Year Research-status Report
HPV関連中咽頭癌に対する複数体液を組み合わせたリキッドバイオプシーの意義
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21K16830
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 秀憲 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任講師(常勤) (00804379)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Liquid biopsy / Human papillomavirus |
Outline of Annual Research Achievements |
98例の中咽頭癌患者の血液とうがい液におけるHPVDNAの検出を行った。HPV16型に限ると、デジタルPCRを用いた血液中の検出は中咽頭癌で49例中45例(92%)、原発不明癌で6例中6例(100%)であった。GENOSERCH31によるうがい液では、中咽頭癌で46例中35例(76%)、原発不明癌で5例中1例(20%)であった。 放射線単独治療を行った22例に対して、治療前から10Gy毎に採血を行い、ctHPVDNAを測定したところctHPVDNAの検出率は放射線治療が進むにつれて段階的に減少し、ctHPVDNAの中央値は40Gyで0 copies/mLとなった。40GyでctHPVDNAが検出されるものを“Rapid clearance”、残存するものを“Slow clearance”としたところ、“Rapid clearance”は12例全例で奏功し無再発生存していた。一方で“Slow clearance”は10例中3例で残存し、さらに別の1例では後に再発をきたした(Tanaka H et al, JCO Precis Oncol, 2023)。 新たに12例を対象に手術例での解析も行った。10例は根治手術が施行され、2例は原発巣検索目的の扁桃摘出が施行された。ctHPVDNAは手術前に12例中10例(83%)で検出され、手術後に12例中4例(2例は原発巣検索目的)で検出された。手術後にctHPVDNAが検出された症例のうち1例は深部断端陽性であった。他の1例は後に再発した症例で、術後に唾液中のHPVDNAを測定したところ陽性であり、時間経過とともに上昇した。最終的に舌根に病変が証明され、放射線治療後に唾液中のHPVDNAが消失したことから、複数体液を用いたリキッドバイオプイシーの有用性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射線治療中のctHPVDNAのクリアランスパターンについて解析し、論文発表を行った(Tanaka H et al, JCO Precis Oncol, 2023)。また、手術前後のctHPVDNAおよび唾液中のHPVDNAの変動について学会発表を行った(田中秀憲、第32回日本頭頸部外科学会)。
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Strategy for Future Research Activity |
血液と唾液の収集と測定をさらに進めて、論文発表を目指す。
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Causes of Carryover |
検体収集が予定より順調に進んだため。
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