2023 Fiscal Year Research-status Report
頭頚部HPV関連癌の臨床病理学的事項の解明及び同定方法の確立
Project/Area Number |
21K16833
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
次郎丸 梨那 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30877600)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | HPV-DNA検査の有用性 / p16免疫染色 / Rb免疫染色 / HPV-RNA-ISH |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌の中で特に中咽頭癌において、HPV陽性癌のマーカーであるp16免疫染色陽性癌は放射線や化学療法への治療反応性が高いといわれており、治療強度を落とした臨床治験が進行中である。しかしながら、p16免疫染色法は10-20%の割合で偽陽性があり、その偽陽性群(p16陽性/HPV陰性群)はHPV陰性群と同様、予後が悪い傾向にある。したがって、HPV関連癌を現行のp16のみで判定する手法には治療選択や予後の推測を見誤る危険性がある。そこで頭頸部HPV関連癌の判定に有用な安価で正確な検査方法を同定することを目的として、HPV関連癌では部分欠失という特異的な染色がみられp16との併用で診断精度の改善が期待できるRbの免疫染および細胞診残余検体や生検擦過検体を用いて産婦人科領域で保険適応となっているPCR検査/ハイブリットキャプチャー法によるHPV同定検査を行い、その有用性を検証する研究を計画した。2021年4月より九州大学病院と共同研究施設において、頭頚部癌が疑われた症例(特に中咽頭癌)の56症例に対し、検体を採取した。DNA-PCR検査およびp16・Rbの免疫染色検査を施行した。これにより、p16とRbを組み合わせた結果とDNA-PCR(Tapman法、ハイブリッドキャプチャー法、リアルタイムPCR検査の3種検査)との相関関係がある程度判明した。Tapman法が最もHPV感染のパターンであるp16陽性・RB部分欠失の結果と相関する傾向にあった。HPV-RNA-ISHとこれらの結果の相関を検証する必要があり、HPVRNA-ISHの施行を進め、症例の8割完了している。p16陽性Rbパターンが真に転写活性を有するHPV感染を認めるのか、p16陽性・Rb完全欠失の中にもHPV感染例が含まれているが、HPV-DNAにより鑑別が可能となるかについての解析結果を本年中に発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例収集および免疫染色検査は完了し、HPVRNA ISH検査の施行を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
HPV-RNA-ISH検査をすすめ、免疫染色、DNA-PCR検査の結果と合わせ統計学的解析を行 う。それらの結果を踏まえて、HPV感染同定のための正確性、簡便性に優れ、比較的安価な検査法の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
HPV-RNA-ISHの検査キットの発注を追加する予定である。また、学会発表および論文投稿までに使用する経費も今後申請予定である。
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