2023 Fiscal Year Research-status Report
Identification of biomarkers for oropharyngeal cancer by proteomics and metabolomics analysis
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21K16837
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Medical Center (Clinical Institute) |
Principal Investigator |
内 龍太郎 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 耳鼻咽喉科医師 (80780840)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中咽頭癌 / メタボロミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
中咽頭癌はHPV関連であるp16陽性癌およびHPV非関連であるp16陰性癌に分類され、その分子・遺伝学的な特徴は大きく異なり、予後を含めた臨床像も異なっている。p16陽性中咽頭癌とp16陰性中咽頭癌についての様々な比較研究が行われているが網羅的な代謝産物や代謝酵素に着目した比較研究はなかった。今回、p16陽性およびp16陰性中咽頭癌の代謝機構について比較検討を行うため、p16陽性中咽頭癌患者7例(POS群)、p16陰性中咽頭癌患者4例(NEG群)および非癌扁桃摘出術症例3例(CONT群)より組織を採取、即時凍結を行い、質量分析装置を用いたメタボロミクス解析および代謝酵素タンパクの高精度定量解析(iMPAQT法)を行った。 その結果、メタボロミクス解析で代謝産物351種を測定した。CONT群と中咽頭癌群(POS群+NEG群)の比較では91種の代謝産物に有意な差を認めた。POS群、NEG群両者に共通する特徴として多数のアミノ酸の増加や多価不飽和脂肪酸の減少を認めた。POS群とNEG群間の比較では22種の代謝物に有意な差を認めた。例として、リシン代謝経路の複数の代謝産物(L-Saccharopine, L-2-Aminoadipate, L-Carnitine)やヌクレオシド三リン酸であるCTPやGTPがPOS群で増加していた。 中咽頭癌と非癌扁桃腺では代謝パターンは大きく異なっていることが確認された。またp16陽性中咽頭癌とp16陰性中咽頭癌の比較においても異なる代謝産物の特徴を認め、臨床像の違いに影響を与えているかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定の解析をおおむね終了した。現在研究内容を公表するため、論文執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究内容の公表のため論文執筆を行う。 また、p16陽性中咽頭癌と陰性中咽頭癌で得られた異なる代謝パターンを反映するタンパクについて免疫染色を行い、多数臨床標本での検証と臨床応用の可能性について探索する。
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Causes of Carryover |
期間中に終了する予定であった論文作成、投稿、出版が終了しておらずそれらの作業および論文投稿中に必要となるであろう追加実験に使用する必要があるため。
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