2022 Fiscal Year Research-status Report
細胞競合現象に基づく上咽頭癌発癌機構の解析と、新規治療法の開発
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21K16840
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小森 岳 金沢大学, 附属病院, 助教 (20632524)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞競合 / EBV / タイムラプス観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、咽頭上皮細胞株NP69(正常細胞モデル)を用いて、GFP-LMP1を発現するベクターをレトロウイルスベクターを用いて導入し、また同様にGFP-LMP1陽性のNP69(前癌細胞モデル)を作製した。正常細胞モデルと、前癌細胞モデルをコラーゲン・ゲルdishで共培養することで、通常状態におけるwinnerとloserの動向を蛍光タイムラプス顕微鏡で観察することを可能とするモデルシステムの構築に費やした。本年は、昨年作成する予定であった緑に発色するNP69-GFP-LMP1に加え、赤色に発色するNP69-RFP細胞に加え、EBV陰性上咽頭癌細胞株であるHK1にGFPで標識したリコンビナントEBVを感染させたHK1-EBV-GFPならびに非感染細胞であるHK1-RFOを樹立した。これらの細胞を使用し、共焦点顕微鏡を用いて、Z軸からの観察すなわち、はじき出しによる排除や潜りこみによる増殖を観察した。また、タイムラプス顕微鏡を用いて最適な条件について検討を行なった。タイムラプス観察のモデルシステムの条件設定は様々な条件で行なったが、6ウェルでプレート底面に薄くコラーゲンゲルを薄く塗布したプレートでの観察が最も観察が容易となる条件となった。プレートの観察中の歪みを避けるため、専用の培養チェンバーを使用して定常的に混合ガスおよび湿潤用の精製水を供給できるシステムを用いることで最大96時間の連続撮影が可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は細胞作成に難渋し計画が遅れたが、本年は目的の細胞が樹立できタイムラプス観察を開始することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
樹立した細胞を用いて薬剤投与によってどのように共焦点顕微鏡による観察やタイムラプス観察が変化するかを検討する。またセルソーティングによって抽出した細胞のmRNA変化がどのようになるか検討する。
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Causes of Carryover |
細胞競合調整因子を使用した実験を開始したが、細胞競合の調整因子を追加した研究は開始しておらず、そのため薬剤代として購入予定経費に残額が生じた。それぞれ調整因子の購入は次年度に行う予定である。
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