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2022 Fiscal Year Research-status Report

頭頸部がん微小環境におけるACLPの機能解明と新規治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 21K16846
Research InstitutionSapporo Medical University

Principal Investigator

萬 顕  札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (20792120)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords頭頸部扁平上皮がん / 微小環境 / がん線維芽細胞 / ACLP
Outline of Annual Research Achievements

がん線維芽細胞(CAF)におけるACLPの解析:頭頸部扁平上皮がんの臨床検体より採取したCAFを用いて、機能解析を行った。まずACLPをsiRNAによりノックダウンし、collagen gel contraction assayを行った。ACLPのノックダウンがCAFによる細胞外マトリックス再構成能を低下させたことから、ACLPがCAFの活性化に関わることを明らかにした。またCAFにおけるACLP発現は、コラーゲン発現と高く相関することを明らかにした。
がん細胞に対するACLPの解析:CAF由来のACLPががん細胞に与える影響を解析するため、CAFのACLPをsiRNAによりノックダウンし、がん細胞と間接共培養を行った。その結果、CAFのACLPノックダウンはコントロール群と比較して、がん細胞の遊走・浸潤能を低下させた。一方、CAFのACLP過剰発現は、がん細胞の遊走・浸潤を促進した。またがん細胞をリコンビナントACLPで処理した結果、がん細胞の遊走・浸潤・cisplatin耐性の上昇が認められた。がん細胞とACLPを過剰発現させたCAFをヌードマウスに移植した結果、ACLPがin vivo腫瘍形成を促進することを明らかにした。xenograft腫瘍の免疫染色解析から、ACLP過剰発現群では腫瘍間質が増大していること、さらに間質のコラーゲンが豊富であることが示された。
ACLP発現とCD8 Tリンパ球の相関の解析:頭頸部扁平上皮がん臨床例を用いてACLPの免疫組織染色解析を行った結果、ACLPはがん間質、特にCAFに高発現することを明らかにした。一方、CD8+ Tリンパ球の腫瘍内浸潤はACLPの染色とは逆のパターンを示した。このことから、ACLPの高発現はCD8+ Tリンパ球の腫瘍内浸潤を抑制する可能性が考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

臨床検体からCAFを採取・樹立し、実験系を充実させることができた。またCAFにおけるACLPの機能解析実験を行うことができた。CAF由来のACLPががん細胞に与える影響について解析を行うことができた。またACLP高発現がコラーゲン高発現と相関し、逆にCD8+ Tリンパ球の腫瘍内浸潤を抑制する可能性を見出した。

Strategy for Future Research Activity

臨床検体からの正常繊維芽細胞ならびにCAFの採取と樹立を継続する。CAFにおけるACLPの分子機能をさらに検証すべく、ACLPがp53蛋白や細胞周期関連遺伝子に与える影響の検証を行う。また今年度得られた、ACLPと相互作用する候補分子について、解析を進める。CAFのACLP発現が、リンパ球浸潤を抑制するメカニズムの検証を行う。

Causes of Carryover

予定していた学会出張が、全てリモートによる参加となったため、旅費を使用しなかった。また実験の大半を自分で行う事ができたため、人件費の支出がなかった。次年度は、実験の消耗品、学会出張、実験補助員の謝金として使用する予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Serum amyloid A1 recruits neutrophils to the invasive front of T1 colorectal cancers.2023

    • Author(s)
      Yoshido A, Sudo G, Takasawa A, Aoki H, Kitajima H, Yamamoto E, Niinuma T, Harada T, Kubo T, Sasaki H, Ishiguro K, Yorozu A, Kai M, Katanuma A, Yamano HO, Osanai M, Nakase H, Suzuki H.
    • Journal Title

      J Gastroenterol Hepatol.

      Volume: 38 Pages: 301-310

    • DOI

      10.1111/jgh.16055

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] CXCL12 is expressed by skeletal muscle cells in tongue oral squamous cell carcinoma.2023

    • Author(s)
      Yorozu A, Sekiguchi S, Takasawa A, Okazaki F, Niinuma T, Kitajima H, Yamamoto E, Kai M, Toyota M, Hatanaka Y, Nishiyama K, Ogi K, Dehari H, Obata K, Kurose M, Kondo A, Osanai M, Miyazaki A, Takano K, Suzuki H.
    • Journal Title

      Cancer Med.

      Volume: 12 Pages: 5953-5963

    • DOI

      10.1002/cam4.5392

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 口腔扁平上皮がんの浸潤と腫瘍間質におけるCXCL12発現の関係について2022

    • Author(s)
      萬顕,関口翔平,高澤啓,山本英一郎,新沼猛,北嶋洋志,甲斐正広,小山内誠,宮崎晃亘,高野賢一,鈴木拓.
    • Organizer
      第81回日本癌学会学術総会
  • [Presentation] 腫瘍間質のAEBP1は頭頚部扁平上皮がんの進展を促進する2022

    • Author(s)
      関口翔平,萬顕,岡崎史佳,山本英一郎,新沼猛,高澤啓,須藤豪太,畠中柚衣,吉戸文乃,北嶋洋志,甲斐正広,小山内誠,廣橋良彦,小島隆,宮崎晃亘,鈴木拓.
    • Organizer
      第81回日本癌学会学術総会
  • [Presentation] AEBP1は骨格筋細胞分化の抑制因子である2022

    • Author(s)
      岡崎史佳,関口翔平,萬顕,新沼猛,北嶋洋志,山本英一郎,甲斐正広,高野賢一,宮崎晃亘,鈴木拓.
    • Organizer
      第81回日本癌学会学術総会

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Published: 2023-12-25  

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