2022 Fiscal Year Research-status Report
時間制限給餌が蝸牛及び前庭の障害保護に果たす役割の解明
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21K16853
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鴨頭 輝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30807152)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 時間制限給餌 / サーカディアンリズム / 内耳障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス内耳培養細胞株HEI-OC1におけるサーカディアンリズムの確認として、前年度に探索した最適化条件をもとに、デカドロン2時間処理及び馬血清1時間処理によって細胞のサーカディアンリズムがリセット同調されることを確認した。デカドロン処理の方が馬血清処理に比してリセット同調がやや安定しており、臨床的な観点からもデカドロン処理をリセット同調に用いることとした。 サーカディアンリズムにおける細胞障害性の変調の原因の一つとして、小胞体ストレスに着目し、評価方法としてqPCR及びWestern Blotの評価方法の最適化条件を探索した。小胞体ストレスの刺激の陽性対照としては鉛障害を用い、Grp94/Grp78/Xbp1/Perk/ATF6/Ire1aをqPCR及びWestern Blotにて評価検討し、さらに鉛処理時のバッファについても検討した。 ミトコンドリア評価のために使用しているXF24フラックスアナライザが故障し、メーカ修理対応が終了していたが、可動部分の故障であったため自前での修理を行ったが、部品取り寄せに時間がかかり、サーカディアンリズムとミトコンドリア機能の変動に関する評価については進捗がやや遅れている。 XF24に使用しているアッセイ用の培地がメーカ都合により廃番となっており、新しい培地に変更しアッセイを行ったところ、OCRが安定しない問題が発生し、pHとの関係に着目しつつ、安定した記録が可能な条件を検討中である。 小胞体ストレスの変動とミトコンドリア機能変動の関連として、グルタミン代謝及び脂肪酸代謝に着目し、同基質処理下でのミトコンドリア機能の変動の解析を進めている。グルタミンはOCRを向上させる効果が見られたものの、脂肪酸では脱供役の効果が見られ、HEI-OC1細胞ではアミノ酸代謝が重要であることが示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に記したとおり、一部の実験が機器の都合で行えず遅延したものの、現在は問題無く施行されており、現状は可能な範囲でのアッセイを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
サーカディアンリズム同調下での薬剤障害性の変動、小胞体ストレスの変動、及びミトコンドリア機能の変動の再現性を確認した後、論文化を進める予定である。
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Causes of Carryover |
機器の故障に伴う修理のための物品及び輸送費に使用したため。
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Research Products
(17 results)