2022 Fiscal Year Research-status Report
上咽頭癌における新規バイオマーカーの開発と臨床応用
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21K16854
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平井 信行 金沢大学, 附属病院, 助教 (40632534)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 上咽頭癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年癌免疫サイクルを制御するprogrammed cell death(PD)-1、PD-L1をターゲットにした治療戦略が開発されているが、治療に対する効果は、癌細胞自身も しくは癌微小環境中のPD-1発現に影響されるため、組織採取が困難な頭蓋内再発や遠隔転移再発に対しての効果予測は困難である。 上咽頭癌ではEpstein-Barr Virus(EBV)が発癌に関わっており、EBVがコードするBamHI Arightward transcripts(BART)-miRNAs が癌細胞内で多量に発現し ている。その一部では重要な機能を有し、上咽頭癌の病態に関わる。また、BART-miRNAsは血中にも放出され、細胞外で安定的に存在することが可能かつ、同定 可能である。 本研究では、EBV関連上咽頭癌において、BART-miRNAとPD-L1との関連について解明し、 新たなバイオマーカーとしての有用性を明確にする。さらに治療効果予測や治療効果判定への応用を目指すことを目的とする。 上咽頭癌の治療は、その解剖学的観点から化学放射線治療が第一選択となっているが、癌治療によって癌細胞内のmiRNA発現パターンに変化が見られることがわかっている。上咽頭癌細胞でも治療によりBART-miRNA発現に変化が起きるのか、シスプラチン耐性上咽頭癌細胞株を作成し、発現解析を行うこととした。そのため、令和4年度はシスプラチン耐性上咽頭癌細胞株の作成をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
シスプラチン耐性上咽頭癌細胞を作成するのに、時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
シスプラチン耐性上咽頭癌細胞を作成し、通常の上咽頭癌細胞と比較し検討を行う。
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Causes of Carryover |
本年度はシスプラチン耐性細胞株の作成に時間を割いたため、当初予定していた材料よりも少なく済んだため。 次年度はシスプラチン耐性細胞株の細胞内miRNA発現解析、細胞外miRNA分泌解析を行う。
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