2021 Fiscal Year Research-status Report
声帯瘢痕に対する脂肪由来間葉系幹細胞調整培養液の局所投与
Project/Area Number |
21K16858
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
森崎 剛史 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (30817812)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脂肪幹細胞 / 声帯瘢痕 |
Outline of Annual Research Achievements |
声帯瘢痕は重篤な嗄声を引き起こす。一度形成された声帯瘢痕を改善することは難しく確立した治療はない。声帯への間葉系幹細胞移植は有望な治療選択肢であるが、拒絶反応の問題や腫瘍化の問題が未解決の課題となっている。近年、幹細胞自身ではなく幹細胞の分泌する物質に組織修復・再生効果があることがわかり、幹細胞が培養された液を治療に用いることで細胞そのものを用いるのと同等の効果が得られることが示された。培養液のみの使用であれば拒絶反応や腫瘍化の問題を克服できる。本研究はラット声帯瘢痕モデルにラット皮下脂肪由来間葉系幹細胞の培養液を注入することで一度形成された声帯瘢痕の修復が認められるかを検証する目的で計画している。 本年度は、各実験手技の確立と安定化を行った。ラット声帯を損傷して声帯瘢痕モデルを作る手技についても確立し、安定化を行った。SDラットの皮下脂肪から脂肪由来間葉系幹細胞を分離する手技について、実験施設、器具の環境整備を行い、実施できる状態とした。細胞分離手技の安定化を現在行っている。 今後の課題としては、細胞培養環境が整っておらず、脂肪由来間葉系幹細胞の培養と、培養液(ASCs-CM)を精製するための環境整備を進行中である。 また、培養した脂肪由来間葉系幹細胞の表面抗原の同定により分離培養した細胞が目的の細胞であるのかを検討する必要があり、これについても今後実際の研究場所、技術職員の確保を要する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞培養のための培養器を使用できる場所の確保に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後培養液の精製手技の確立、ラット声帯への注射手技の確立、ラット喉頭の組織学的解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進行がやや遅れており、材料購入を次年度に繰り越すこととなったため。 翌年度は今年度に購入予定だった材料を購入し、研究を推進する。
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