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2023 Fiscal Year Research-status Report

先天性サイトメガロウイルス難聴に対する治療効果判定法の新スタンダードの確立

Research Project

Project/Area Number 21K16862
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

木村 優介  日本大学, 医学部, 助教 (50839074)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords先天性サイトメガロウイルス感染症 / 先天性難聴 / Chirp音ABR / 抗ウイルス薬
Outline of Annual Research Achievements

先天性CMV感染症児の聴力評価で従来のClick音ABRのⅤ波閾値のみで判断した際に、低音域に難聴のある症例の治療適応や難聴の重症度評価を正確におこなうことが難しく、経過をみていく際にもABRのⅤ波閾値の変化が先天性CMV感染症による遅発性・進行性難聴なのか、成長による聴覚伝導路の髄鞘化が進んだことによるものか、中耳腔貯留液の消失によるものか、抗ウイルス薬の治療効果によるものかどうかの判断が非常に困難である。現行のABRのⅤ波閾値のみの聴力評価では治療適応と治療効果判定法に限界があると考える。
2021年度は研究を開始するにあたり、実施施設である日本大学板橋病院の臨床研究倫理審査委員会での承認を得た。(整理番号RK-210914-4)研究実施計画に則り、症例登録期間が2年間である。2021年-2022年の18例の先天性サイトメガロウイルス(以下CMV)感染症の患者の登録をおこなった。症候性先天性CMV感染症が12名、無症候性CMV感染症が6名である。18例に関しては研究の同意を取得し、スクリーニングとして、Click音ABR、Chirp音ABR/ASSR、DPOAEをおこなった。鼓室内の評価に関しては、中耳ファイバーでの観察、Tympanometryを施行している。18例に対してはフォロー期に移行しており、定期的な検査をおこなう予定である。症候性CMV感染症12例は抗ウイルス薬であるバルガンシクロビルを投与しており、Chirp音ABR/ASSRを用いて、治療効果判定をおこなう予定である。2023年3月で症例登録期間を終了し、結果を解析し、2023年11月開催の第33 回日本耳科学会総会・学術講演会にて発表をおこなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の登録症例数は2年間で20例であった。年間10症例の先天性CMV感染症児の登録を予定していたが、2021年-2022年で18例であった。日本における先天性CMV感染の発生頻度は0.31%で、新生児1/300人が先天性感染を起こしていると報告されているが、出生時に先天性CMV感染症を疑う症状がない場合は新生児尿でのCMV核酸検出は行われていないため、多くの軽症の症候性や無症候性の先天性CMV感染児が出生時に診断されていないと思われる。現段階では、全出生児に対するCMVのスクリーニング検査はおこなわれていないため、当院のみの対応では限界があり、近隣の産院含め、先天性CMV感染症を疑った際には積極的な検査を行い早期に紹介していただけるような体制作りを進めている。症例登録は終了しており、現在はその解析と発表、論文作成をおこなっている。

Strategy for Future Research Activity

症例登録は終了しており、18例の先天性サイトメガロウイルス(以下CMV)感染症の患者の登録をおこなった。症候性先天性CMV感染症が12名、無症候性CMV感染症が6名である。症候性CMV感染症12例は抗ウイルス薬であるバルガンシクロビルを投与しており、12例24耳の治療後1年の聴覚評価で12例中4例(24耳中7耳)に聴覚閾値改善を認め、17耳は聴覚閾値に変化を認めなかった。無症候性CMV感染症が6名は遅発性難聴や進行性難聴の発症は認めなかった。2024年度5月の日本耳鼻咽喉科学術集会にて発表予定であり、2023年度の内容を加え、論文化の予定である。

Causes of Carryover

症例登録件数を増やすため、解析作業などを2024年度に持ち越したため次年度使用額が生じた。今後、発表、論文化等に関わる費用に使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 症候性先天性サイトメガロウイルス感染症児に対する治療適応と聴覚評価2023

    • Author(s)
      木村優介、鴫原俊太郎、河江千尋、野村泰之、大島猛史
    • Organizer
      第33 回日本耳科学会総会・学術講演会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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