2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a novel treatment for uveal melanoma based on p53 pathway activation
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21K16867
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
冨樫 敬太 山形大学, 医学部, 病院助教 (80810796)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ぶどう膜悪性黒色腫 / CEP1347 / p53 |
Outline of Annual Research Achievements |
ぶどう膜悪性黒色腫(UM)は遠隔転移を起こしやすく予後不良な眼内悪性腫瘍である。現在でもなお、重症例では眼球摘出が第一選択となる。さらに、眼内局所再発や遠隔転移に対する有効な治療薬は現状存在せず、免疫チェックポイント阻害薬の効果も限定的なため新規治療薬が切望されている。申請者はこれまでに、パーキンソン症治療薬として開発されたCEP1347が、一般にp53遺伝子が野生型かつp53抑制因子MDM4が頻繁に高発現している(p53WT/MDM4high)網膜芽細胞腫に対して、MDM4の発現を減少させることでp53の活性化を促し、細胞増殖抑制作用を発揮することを見出した。興味深いことに、UMもまたp53WT/MDM4highであるものが多いことが報告されている。そこで本課題では「CEP1347がp53WT/MDM4highであるUMに対して治療薬として有効ではないか?」との仮説を立て、(1) CEP1347のUMに対する有効性、(2) CEP1347のUMでの作用機序、を検討することで、UMに対する安全な治療薬の開発及び治療法の確立を目指すべく研究中である。 なお、基礎実験系に使えるUM細胞株が少ないことこから、当科で眼球摘出に至ったUM患者の手術検体を用いた細胞株作成にも取り組んでいる。前年にはspindle A型のUM細胞株(UMY-01)の樹立に成功し、第124回日本眼科学会総会にて報告した。 本期間においては、CEP1347はp53WT/MDM4highであるUM細胞株に対して強い増殖抑制効果および細胞増殖抑制効果を持つことを複数のアッセイ系を用いて明らかにした。MDM4高発現UM細胞に対するCEP1347の増殖抑制機構として、網膜芽細胞腫と同様にMDM4の発現抑制及びp53-p21経路の亢進を誘導している現象を見出した。現在、成果を国際誌に発表すべく、論文準備中である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、MDM4高発現しているぶどう膜悪性黒色腫細胞においてもCEP1347が抗腫瘍効果を発揮することが期待できるデータを得たため、おおむね順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
網膜芽細胞腫は浮遊系細胞のため遺伝子導入が技術的に困難だったがぶどう膜悪性黒色腫細胞は接着細胞のため、MDM4遺伝子ノックダウンを行い、CEP1347の作用機序を明らかにしたい。また、臨床応用も視野に入れてマウスを用いたプレクリニカルスタディも予定したい。
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Causes of Carryover |
本年度はマウスを用いたプレクリニカルスタディを行うことができなかったため、次年度に行いたいと考えている。
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Research Products
(5 results)