2021 Fiscal Year Research-status Report
VR/MR技術を利用した眼窩部手術手技トレーニング
Project/Area Number |
21K16874
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三谷 亜里沙 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (60648096)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Mixed reality(複合現実) / 空間認識 / 眼窩部手術 / 透過型Head Mount Display / 立体解剖理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
眼窩部は複数の解剖学的構造物が複雑な立体を形成しているため、眼窩部手術には立体的 な解剖学的知識が要求される。本研究では、近年急速に注目されているVirtual reality/Mixed reality技術の、眼窩部手術領域への活用、応用を目的とする。 まず、3Dバーチャルモデル作成に関して、実際の多発顔面骨骨折後続発性鼻涙管閉塞患者における術前涙道造影コーンビームCTのDICOM画像からSYNAPSE VINCENT(Fujifilm,東京)で皮膚、骨、涙道、鼻根部に固定された金属ボルトをセグメンテーションした。次に3DポリゴンであるSTL fileに変換し、Holoeyes XR(Holoeyes,東京)を使用して3Dバーチャルモデルを合成した。透過型Head Mount Displayを通して空間や患者に投影することが可能であることを確認した後、このモデルを複数の医師で共有し、優れた空間認識により術前シミュレーションとして有用であることを認識した。また、医学生・研修医を対象にモデルを閲覧させ、通常の手術動画では得ることのできない立体的な眼窩部の解剖構造の理解促進に役立つことを確認した。 また、手術手技の向上を証明するために、妥当性のある評価尺度を設定し、客観的な評価を行う必要がある。そのため、まずは涙道手術で世界的に普及している涙嚢鼻腔吻合術の全工程をタスクとして言語化し、その中でも重要なタスクをアンケート調査にて分析した。 今後、MRデバイスを使用した手術支援、手術教育の有用性が、適切な評価尺度で証明できれば質の高い手術を提供できる眼科・眼形成外科医の育成に期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の患者画像からMRバーチャルモデルの作製が可能であり、術前シミュレーションとしての有用性が確認できた。また医学生や研修医の解剖理解や手術教育の促進にも役立つことが示唆され、概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
眼窩部腫瘍など複数の眼窩部疾患患者からMRバーチャルモデルを作製し、有用性を検討する。またMRとご遺体を使用したハイブリッドカダバートレーニングを実施し、その有用性を評価する。成果を学会発表、論文にて報告する。
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Causes of Carryover |
pilot studyとして少ないVR/MRデバイスで使用感などを確認した。問題なく使用可能であったので次年度以降追加購入の見込み。
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