2021 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病網膜症におけるマイクログリア・マクロファージを標的とした神経保護治療
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21K16897
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 宗男 九州大学, 大学病院, 医員 (50848017)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マクロファージ / 糖尿病網膜症 / 神経保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
VEGFマウスではDR患者に類似した所見を得られた。VEGFマウスでも徐々に視細胞死が起こり、網膜が菲薄化していく過程を継時的にOCTで撮影することができた。また撮影と同タイムポイントで網膜を回収しTUNEL染色で網膜視細胞死、免疫染色でマクロファージ/マイクログリアの動態について観察した。視細胞死のピークでマクロファージ/マイクログリアが増加、形態の変化を認めた。またDR患者で上昇が報告されている種々の炎症性サイトカインの増加を認めた。さらに臨床で用いられている光干渉断層計(OCT)で観察することができる高輝度病変Hyperreflective foci(HRF)が、VEGFマウスでも同様に増加していた。 今後VEGFマウス網膜からマクロファージ/マイクログリアを抽出し、単細胞解析による視細胞障害特異的マクロファージ/マイクログリアの同定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
VEGFマウスの病勢にばらつきがあり、安定して網膜からマクロファージ/マイクログリアを抽出できていないため単細胞解析の実験ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
VEGFマウス網膜から回収したマクロファージ/マイクログリアの単細胞解析では細胞数が予想よりも確保できておらず、原因の特定が必要である。要因として病勢のばらつきから十分な網膜数の確保ができていなかった点、細胞調整から解析までの時間が輸送のため数時間を要した点などが考えられる。1サンプル調整のための網膜数の検討、より短時間で解析まで行なうシステムを検討している。10× Chromium instrumentを用いて生命創成探求センターでの解析を予定している。
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Causes of Carryover |
現在までの進捗状況欄に記載の通り、VEGFマウスの単細胞解析が実施できていない。単細胞解析は試薬が高価であり、確実なサンプル調整が必要であり次年度に繰り越すこととした。
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