2021 Fiscal Year Research-status Report
日本人の眼瞼基底細胞癌の網羅的ゲノム解析で明らかにする既存薬物の有効性
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21K16898
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秋山 雅人 九州大学, 医学研究院, 講師 (10757686)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 基底細胞癌 / エクソーム / がんゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度までに、当院を受診し外科的治療を受けた合計26人から研究参加同意を取得し、13人の基底細胞癌患者に由来する腫瘍と血液サンプルについて、エクソームシークエンスを行った。基底細胞癌の既知のがん関連遺伝子が高頻度に眼瞼部の基底細胞癌で検出されることを確認した。また、過去に基底細胞癌に関して報告のない遺伝子の体細胞変異が、半数を超える7例 (54%)で同定され、そのうち5つの変異が遺伝子の機能への影響が強い、ストップコドンやフレームシフトなどの変異であった。このことから、眼瞼部基底細胞癌では、他の部位に発生する基底細胞癌と同様の遺伝子異常に起因する一方で、眼瞼部特有の体細胞異常が存在する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、13人の基底細胞癌患者に由来する腫瘍と血液サンプルについて、エクソームシークエンスを行い、変異コールまで完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間内に可能な限り検体を取得しエクソームシークエンスを実施する。得られたデータを用いて、予定しているコピーナンバー数の評価、体細胞変異パターンの検証、治療薬物候補の検索、臨床表現型や薬剤応答性に関わる遺伝子変異の検討を行う。
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Causes of Carryover |
検体収集は問題なく行えているが、腫瘍から抽出可能なDNA量が少ない検体があり、当該年度でシークエンス可能なサンプルについてはすべてシークエンスしたが、残余額が発生した。
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