2021 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞局所投与による眼表面難治疾患制御法の開発
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21K16908
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
稲垣 絵海 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特別研究員(RPD) (40464903)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 眼表面難治疾患 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト脂肪由来間葉系幹細胞(以下、ADSC)は、骨芽細胞、軟骨細胞及び脂肪細胞への分化能を有し、免疫調節機能・抗炎症作用を有することから既存治療に抵抗性を示す免疫疾患等に対する新たなモダリティとして期待されている。本研究では免疫学的異常を機序とする眼表面難治疾患モデルとして慢性移植片対宿主病(cGVHD)モデルを用いADSCの有効性評価について検討を行った。有効性評価モデルとして慢性GVHDモデルが作成された。ADSC移植後3週間で角膜上皮障害(フルオレセインスコア)において、ADSC移植群は陰性対照群と比して有意な上皮障害改善効果を認めた。また眼混濁スコアも移植群の透明治癒率において有効性を呈した。体内動態を評価する為に、レンチウイルスベクターによりルシフェラーゼ遺伝子を導入したヒト脂肪由来間葉系幹細胞(以下、ffLuc-ADSC)を単回結膜下投与し体内分布を評価した。ffLuc-ADSCの体内分布は、in vivo発光イメージングによる発光シグナルの検出、及びヒト特異的Alu配列のリアルタイムPCRによる試料中のヒト由来DNAの検出により評価した。本評価法では、ffLuc-ADSCは投与後、眼球、眼球組織に分布するが、7日以内に消失することが明らかとなった。以上より、ADSCの眼結膜下投与は重症眼表面ドライアイモデルにおいて眼表面障害に対して有効性を認め、新たな眼表面疾患への新たな治療の可能性として期待できうることが実証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
POC取得実験および安全性試験、体内動態試験が実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度の予定として奏功メカニズムの解明として液性因子のプロファイル探索を行う。またbulk RNA seqを実施する予定である。RNAseqの解析パイプラインはできており、当該検討のためのサンプルを確保するために実験の再現性確認と当該サンプルの採取を行い評価する予定である。
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