2023 Fiscal Year Annual Research Report
革新的な乳房再建術のための脂肪由来幹細胞と生体外増幅単核球の相互作用の解析
Project/Area Number |
21K16919
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
古川 聖美 順天堂大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (00896475)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脂肪移植 / 間葉系幹細胞 / 末梢血単核球 / 乳房再建 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳がん患者乳房切除術後の乳房再建成績向上による患者QOL改善のため、血管再生が得意な生体外増幅単核球と脂肪再生が得意な間葉系幹細胞を混合することにより、生着率の高い脂肪移植技術を開発することを目的としている。 本研究により、生体外増幅単核球(RE01細胞)と共培養することで、脂肪由来間葉系幹細胞(ASC)の脂肪分化能や血管形成能が向上することをin vitro実験で示した。また、ヌードマウス背部脂肪移植実験を実施し、脂肪移植におけるRE01共培養ASCの有効性を検証した。ヒト脂肪組織200gにASC 2x10^4 cellを混合し、ヌードマウス背部に移植し、体積の経時変化をCTにより検証した。群分けは、①コントロールとして脂肪のみ群、②従来の(共培養なし)ASC混合群、③RE01共培養ASC混合群とした。また、移植4週間後に移植片を採取し、組織標本を作製した。CD31、Perillipin、iNOS抗体を用いて免疫染色を実施し、移植脂肪組織片の解析を行った。脂肪のみ群および従来のASC混合群と比較し、RE01共培養ASC混合群において、移植脂肪組織の血管新生が促進しており、生脂肪細胞の割合が増加し、炎症細胞の浸潤が減少することで、移植脂肪片の生着率が有意に増加した。移植脂肪組織片のPCR解析により、増加したCD31陽性微小血管は、ヒト由来ではなく、マウス由来であることから、移植したRE01共培養ASCのパラクライン作用により、移植組織周囲からの血管新生を促進させたことが示唆された。 本研究により、RE01細胞と共培養したASCの脂肪移植における有効性が示された。
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