2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism of volume loss in long-term transplanted cartilage - Analysis using fluorescence imaging technique
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21K16920
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
力丸 由起子 (西由起子) 久留米大学, 医学部, 講師 (90368960)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脂肪由来幹細胞(ADSCs) / 軟骨再生 / 蛍光イメージング / 軟骨移植 / PKHリンカーキット / 電子顕微鏡解析 / 超微形態 / GFPラット |
Outline of Annual Research Achievements |
皮下への軟骨移植後に軟骨量の減少と皮膚の菲薄化が起こる。先行研究では、移植床組織由来幹細胞から分化誘導された軟骨細胞が、移植軟骨の中に新生することを明らかにしたが、長期経過で軟骨量が減少する原因は未解明である。本研究では蛍光イメージング手法を用いて、軟骨減少の原因を解明することを目的とする。移植軟骨内/外の蛍光標識細胞の動態を可視化・定量解析し、(1)効率的に軟骨細胞に分化誘導される幹細胞の種類、(2)その最適付加量および(3)幹細胞の軟骨細胞誘導能が維持される期間の解明を行う。本研究によって術後の軟骨量の減少が起こりにくく、 長期間組織量が保持される移植法の開発が可能になると考えている。 2021年度の計画では、蛍光標識した幹細胞群を生体内で可視化するモデルの作製(蛍光イメージング)をおこなった。この実験系では、脂肪由来幹細胞(ADSCs)に幹細胞標識用超低毒性色素(PKHリンカーキット)を用いて赤色蛍光標識した。蛍光標識反応は色素濃度に依存するために事前の調製が必要ある。本年度は蛍光色素の細胞膜標識の至適濃度を明らかにするために、SDラット皮下脂肪組織より単離された脂肪由来幹細胞を用いて、染色液の希釈系列を作製した。この実験系から脂肪幹細胞の蛍光イメージングに適用するPKHおよび核染色の至適濃度が明らかとなった。また、脂肪由来幹細胞の電子顕微鏡解析も合わせておこなったところ、細胞形態の異なる細胞群が存在する可能性が示唆された。幹細胞の機能については理解が進んでいるものの、超微形態については情報が少ないため今後解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の計画では、10週齢野生型ラット脂肪組織から脂肪由来幹細胞(ADSCs)と間質血管分画(SVC)を、骨髄からは骨髄由来幹細胞 (MSCs)を抽出し、各々を通常培地で培養する。細胞がconfluentになった後に幹細胞シートを作製するところまで行う予定であった。しかし、研究室および細胞培養室を全面改装をすることになり長期間使用できなくなったため、予定より進捗が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究環境を整えて、幹細胞を軟骨に移植するモデルを樹立する予定である。幹細胞を採取する工程では、ラットからの十分な脂肪組織および骨髄組織の採取が必要となり熟練を要する。現状の手技では予定量の幹細胞を採取できるとは限らないため、市販の正常ラット幹細胞を入手して蛍光イメージングおよび幹細胞シートを作製することで、この工程の短縮化を計画している。
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Causes of Carryover |
研究室の全面改装のためにしばらく使用できなかっため実験が進まず次年度使用額が生じた。次年度以降は研究環境を整備し、遅れた実験系を進める予定である。
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