2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K16922
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
勝部 元紀 京都大学, 医学研究科, 助教 (40609583)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 顔面形態形成 / 幾何学的形態測定学 / ヒト胎児 |
Outline of Annual Research Achievements |
顔面先天異常疾患の病態解明や治療発展において、顔面の正常発達過程の把握は必要不可欠ですが、その全容はわかっておりません。CTやMRIな ど撮像機器の発達により、世界的にも極めて貴重なヒト胎児標本を破壊することなく多数利用した正確な形態解析が可能となってきています。それらの画像データと3次元形態の定量解析 や可視化に優れた幾何学的形態測定学 (Geometric morphometrics) を組み合わせることにより、胎児顔面のダイ ナミックな形態変化を捉えることが可能です。本研究の目的は数理統計解析手法を応用することで、胎児期におけるヒト顔面骨格の3 次元的 かつ連続的な形態変化を定量的に評価し、正常発育様式の全容を解明することです。 今まで、ヒト胚子胎児標本に対して7テスラや3テスラのMRI画像を用いて、胚子期後期から胎児期中期までの顔面骨格形成過程を解明してきました。出生前までの形態形成過程を解明するべく顔面骨格のCT画像を取得しておりましたが、画像の精度の問題から解析を進めるのが困難な状態でした。そこで、2021年度には新たに胎児期中期から後期にかけてマイクロCTを用いてヒト胎児標本の顔面骨格の高精細な画像を取得いたしました。ほとんどの標本において高精細な画像を取得することに成功しました。ヒト胎児顔面骨格のマイクロCT画像は貴重であり、それらを元に顔面骨格の形態形成過程を3次元的に解析することで、ヒト胎児期における顔面骨格形態形成過程全般を解明していく予定としています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画においては当初、2021年度においてヒト胎児標本の画像情報を取得することを目標としていました。 数多い標本の中から変形が少なく解析対象とできる標本の選別には時間を要しますが、その選別をまず行いました。また、それらの標本に対して、非破壊的でかつなるべく高精細な画像取得をもくひょうとしておりましたが、他施設のマイクロCTが適切であることがわかり、選別した標本全てに対してマイクロCTの撮像を行いました。 取得したCTデータにおいても解析に耐え得る精度かどうかを詳細に調査し選定するところまで終了しております。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は取得したマイクロCT画像を用いて、下顎骨を含む顔面骨格上に、成長中も相同なランドマークを設定し、画像解析ソフトCheckpointを用いてその座標値を取得します。その座標値データを元に統計解析ソフトRおよびMatlabを用いて定量解析します。この解析は座標データ取得完了後速やかに行う予定です。なお、成長近似は観察対象期間が長くなればなるほど直線近似は不適合となることが予想されるため、主成分分析および重み付き平均 (カーネル回帰)を用いた非線形近似を行います。3 次元立体化ソフトAmiraを用いて平均形状に最も近いサンプルの3次元モデルを作成し、得られた結果に合わせてこの3次元モデルをMorphingさせることで、顔面骨格成長の4次元モデルのアニメーションを作成する予定としております。
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Causes of Carryover |
【使用年度額が生じた理由】新型コロナウイルス感染症の影響により参加予定の学会が中止になったため、残額が生じた。 【使用計画】形態解析研究に使用する。
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Research Products
(5 results)